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ナショナル・シアター・ライヴ 2018 「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」のtaruponのレビュー・感想・評価

3.9
まず、一言。面白かったけれど・・・、すごく言葉遊びあり、抽象的ともいえるような緻密な言葉の怒涛のやりとりのお芝居。
これを、字幕で追いつつ理解していくのは、ちょっときつかった。
昨秋、小川絵梨子さん演出、生田斗真×菅田将暉版をみているけれど、やっぱり日本語で聞く方が、内容は把握しやすいなあとは感じた。

という前提で。

どうしても、昨秋に見たものとの比較の中でみてしまう自分がいるわけだけれど、同じ作品とはいえ、その受ける印象はかなり違っていた。
まずローゼンクランツの印象が、生田斗真とダニエル・ラドクリフではずいぶん違う。日本版の方はもっととぼけたボケ役のような感じで流されていく感が強かったけれど、今回のものの方がもっとあがく雰囲気があるようだった。
それは、ハムレットのキャラクターの違いとロスギルとの関係性の違いにも表れていて、今回のハムレットはすごくイケメンで(別に、林遣都がイケメンでないわけではないが(笑)かつ、ロスギルとの間もなんか冷めた関係性しか感じられなかった。
そういうこともあって、今回のロスギルの方が気楽な2人組が主体性なく流され追い詰められていくというより、追い込まれていく感をより感じたのかもしれない。

あと、より座長と旅芸人一座の役割が、今回の方がより印象的だったと思う。

たまたま、1年以内に違う演出のものを見る機会があって面白かったです。
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