1年前に夫を亡くしたエミリーは、ロンドン郊外の6世帯の高級アパート（持ち家）に住んでいる。
しかし、実は夫は借金と、貸金庫には愛人？の写真を残していたのだった。アパートのボスママ、フィオナから、
「アパートの改修で600万円かかるから、1世帯100万円お願いね」と言われ、内心焦るエミリー。
結局今回はフィオナが立て替えてはくれたが、お節介なので、エミリーがお金に困っている事にも気付いて、会計士を紹介する。が、この会計士がエミリーに気があり過ぎてキモイ。
エミリーの唯一の気休めは、アパートの屋根裏部屋からバードウォッチングすることだが、向かいの雑木林になった病院跡地に住んでいるドナルドに気が付く。
ドナルドは雑地に不法に住宅を建てて住んでいるホームレスなのだが、何の束縛もなく自由に生きる彼が気になり、交流を持つ様になる。
話てみるとドナルドは、会計士よりもよっぽど知性があって紳士で話しやすい。
ドナルドはエイミーのことを「君を知りたいが中身がない。いや、目的がないのかも…」とか、エイミーの高級アパートにしても、
「君に合っていない。誰か別の人の人生を生きているみたい」とか、今エイミー自身が悩んでいることをズバリと言い当てるのだった…。
ダイアン・キートンって自分を持っている芯の強い女性を演じることが多いが、今回は夫に借金を残され、自信の無い、ずっと専業主婦だった気の弱そうな女性を演じている。
しかし、エイミーがドナルドと付き合い始めたことで、
「今の生活を自分でも楽しめていないのだから、失うことを怖がらなくてもよいのではないか」と悟ってくる。
怖いものが無くなると、人間って強くなるものね。
あのボスママのフィオナにも「あなたも解放されたら」と去っていくところが恰好良かったです。
