n

トム・オブ・フィンランドのnのレビュー・感想・評価

トム・オブ・フィンランド(2017年製作の映画)
4.2
同性愛が違法だった時代のフィンランドで密かにゲイアートを制作し、やがて米国をはじめ世界中で知られることになったトム・オブ・フィンランド、本名トウコ・ラークソネンの伝記映画。
戦場から戻り、時には抱えた傷を癒やすように、時には迫害者への意趣返しのように、そして時には愛する友人のために、トムは男たちを描き続ける。ノンリニアな語りと切なくも優しい余韻、そして愛と友情で緩やかに結ばれたゲイコミュニティーの雰囲気がベルトラン・ボネロの『サンローラン』を思い起こさせる、とても好みの作品だった。芸術表象がどのようにしてマイノリティーのエンパワーメントとなり得るか、ということもよくわかる。

登場人物はみな忘れがたいけれど、とりわけトウコの目を通して見る「賢く、優雅で、美しい」ニパと、ダグの目を通して見る「ゴージャス」なジャック(アメリカ人役のヤーコプ・オフテブロ!)の夢のような輝きに目を奪われた。
n

n