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トム・オブ・フィンランドのMISSATTOのレビュー・感想・評価

トム・オブ・フィンランド(2017年製作の映画)
4.1
センセーショナル感を煽らない静かな映画だった。
モザイクが無くても、と言うかむしろモザイクがないからこそ、子どもも見られるのではないかと思うんだけど…(映倫に18歳以上に指定されている)
少なくとも12歳以上は見れた方が良い。このままで。

映像も音も滑らかにストーリーに導いてくれるから、この流れを壊すような、鑑賞者の足元を故意に掬うような無粋なモザイクが無かったことで、作品に身を任せて、時々作品が持つ感情の起伏に流されながら見れた。

産まれながらの性質を否定されて挙句に罰せられる社会。
違和感と恐怖感はトムだって間違いなく持っていただろう…それでも内から湧き上がる表現を形にする楽しさと、表現することそのものが彼の性的指向である様子が愛おしくてたまらなかった。
例えば趣味でも何か作る楽しさを知っていて、作らずにはいられないという経験をした人なら、特に共感出来ると思う。

音楽無しで日常音がある生活を『見せる』シーンとBGMが日常の音に重なっていくシーンが見事で、役者の演技も演出も隅々まで素晴らしかった。
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