監督ドゥニヴィルヌーヴ、撮影ロジャーディーキンス、音楽ヨハンヨハンソン。
現代映画のマエストロたちが集結して生み出された暗黒の様式美とも言える様な前作と比較すると、誤解を恐れずにいえば、真っ当なクライムアクション寄りに振っている続編。
かと言って、日和った訳ではなく、却って主人公2人の人間的な輪郭をより鮮明に語り、バイオレンスを更に直接的に描く事によって、容赦の無い現実のドス黒さをより深く重く活写する事に成功しているように思う。
前述の三巨頭とは対照的に、前作以降に評価を著しく上げたテイラー・シェリダンが見事な脚本を継続して手掛けているのですが、彼の脚本という屋台骨が揺るぎないからこそ、監督が交代してアプローチが変わっても作品としての佇まいにブレなく一貫性を保てているのも間違いない訳で、またもや評価を上げてしまいそうです。
本シリーズは3部作を想定されているようですが、テイラーシェリダン監督作「ウィンドリバー」の見事な出来映えを見ると、最終作は監督脚本でイッていいんじゃない?とも。
あ、でも本作の監督ステファノソリッマのお仕事も本当に素晴らしい。前作とはアプローチの違う「ケレン味」は見応え十分。イタリアンマフィアものの「ゴモラ」の噂はかねがね。未見ですが、過去作も是非チェックしたくなりました。
ベニチオデルトロ、ジョシュブローリンら主演ふたりのワルカッコ良さは異常。
ブロマンスなんて言葉が生ぬるく感じるハードさで痺れる。
件の「adiósデルトロ撃ち」はなんとデルトロ本人の提案との事!ワーォ!
新星イザベラ・モナーも良い。ちょと品の無い言い方で恐縮ですが、いいオンナになりそう感ありで今後の活躍が楽しみ。
そして、カッコ良すぎるラストカットのあの科白からして、原題sicarioに戻したほうが良いのでは無いか?案件、再燃。
にしても、まったくもって勤労感謝の日に観るのにホントに適した一本でしたよ、、w
汚れ仕事に、上役のはしご外し。あるのは男の矜持だけ。って