瓶底

クレイジー・リッチ!の瓶底のネタバレレビュー・内容・結末

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

金持ちと一般人の結婚ドタバタコメディかと思いきや一味違った!(良い意味で!)

終始景気のいい映像に『これ正月に見るん丁度よさそうやな〜』と『金持ちってアホなん?』という気持ちが交互に来る(楽しい)けど、女性の登場人物に焦点を当てるシーンが多く"家庭における女性像とは"を考えさせられる作品やった。

マイクロアグレッションや、単に嫉妬から来る嫌味に、見てて気ぃ悪!ってシーンもちらほらあったけど、賢くて愛情深くて忍耐力のある主人公レイチェルやからこそ乗り越えられた。立派やったよ、レイチェル…

彼氏ニックは育ちのせいもあってレイチェルに比べたら頼りないけど、バチェラーパーティーで主人公をバカにする友人に反射的にキレていた所と、当たり前のように主人公に実家に来てもらうという浅はかな考えは持っていなかった所が良かった。ちゃんとパートナーを尊重できる良い奴。

そして何よりもエレノア!主人公に辛く当たる母親やけど、若い頃は自分かて仕事をしたかったろうに、色々を諦めて夫の家業を継いで献身的に生きてきて、それでもおばあ様には認めて貰えず、というこれまでの人生を想像するとどうしても俺は彼女の肩を持ちたくなってしまう。

だからこそ最後のプロポーズのシーン。ニックが当初用意していた指輪ではなく、ヤン家のおばあ様の指輪でもなく、エレノアの指輪が箱から出てきた時はギャーーーー!と叫んで号泣してしまった。エレノア、えらかったね…

男女間の家庭内での立場問題であったり、アジア系の人種問題にも触れながら、エンターテインメントとしての魅せ方が上手すぎるジョン・M・チュウ監督。この後、ガッツリ移民問題に踏み込んだ"イン・ザ・ハイツ"という作品を撮るんやから、クレイジーリッチ!は不足な部分もあったかもしれんけどかなり重要な作品になったんちゃうかな。良かったです!
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