もしも家族を作るのに資格がいるとしたら、何割の家族が合格するんだろう…そんなことを思った。
血が繋がってる=家族、にはならない
愛し合ってる=家族、にはならない
強い絆がある=家族、にはならない
家族の定義は難しい。
他人との境界線も難しい。
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「フロリダ・プロジェクト」でも感じたことだけど、ここの家族も「ただの愛情」はあっても、親としての「教育」や「責任」ていう概念がないんだろうなー、と思う。家族いるのに「仕事行きたくない」て平気でいうし、貧乏生活に負い目を感じていたらケガして喜ばないでしょ。
そう考えると、冷たい言い方だけど、あの二人には「家族ごっこ」の方がお似合いだなって思う。
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彼らは「幸せな家族」ていう触れ込みだけど、あたしには全然幸せそうに見えないんだよね。シャンプー買うお金もないほど不自由だし。
せめて少年が万引を楽しんでいたら救われたかもしれない。「俺、父ちゃんと一緒に"万引き"ていう仕事してるんだぜ！」とか「今日はたくさん獲ったぞ！みんな喜んでくれるかな」とか。そういう無邪気さがあればよかった。家族の指示で、良心の呵責に苛まれているのは幸せなんかじゃない。
一方の少女も風俗まがいのことをして金を稼ぐ。やはりこの子も金を稼ぐことを楽しんではいない。したくもない行為をしてるから、仕事中はずっと浮かない顔。幸せ家族というなら、彼女の不幸自慢の一つでもエピソードに加えて、それよりマシなんだというところを見せてほしかった。
そっか。子どもたちが幸せに見えないから、父親の「働きたくなーい」の台詞が余計にカチンとくるんだろうな。
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拾われた女児のように、逃げ場が欲しい人にはこの家族は救いなのかもしれない。ただ、傷が癒えたときには、ここにいればいるほど不幸になる。
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あたし的には「良いキャスティング」て「他の誰かが演じてる姿を想像できない」のが良いキャスティングなんだけど、今回、なぜこの布陣にしたんだろう…て思うような役者の使い方だったので残念だった。
ぶっちゃけ池脇千鶴は田畑智子でもいいし、高良健吾はこの際誰でもいい。思わせぶりなキャスティングなだけに、全然見せ場がなくて肩透かしくらった気分。まぁ、勝手に期待したあたしがいけないんだけどさ。あ、柄本明は柄本明で最高に良かった！
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（全体の感想）
うーーーん…パルムドール獲ったことで、あたしのなかで期待値が上がりすぎた感はある。家族それぞれの過去エピソードの方が面白そうだったから、その辺も回想交えて演じてほしかった。やや物足りない。
あと、予告で見せ場はほとんど流しちゃってるような。。予告でも「この家族には秘密がある」て言っちゃってるから、割と早い段階で秘密に気付いた人も多いのでは。
「そして父になる」と「万引き家族」だったら前者の方が断然好き。
もう一度観たら印象変わったりするのかな。。
【追記】
「さやか」の名前と「しょうた」の名前の由来がわかったときに、ちょっとだけハッとした。こういうところが是枝監督好き。
