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万引き家族の3104Arataのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.8
【家族とは、を突き付けるテーマに共感できる】
・大きく二つの良さを感じた映画。

1.「家族」とは何かを考えされた。
 a.血のつながり=家族ではない
 b.一緒にいること=家族ではない
 c.家族が家族であるためには儀式がある
  ∟例えば、日常生活に落とし込むと子供が親の考え方に共感して従う事
  ∟例えば、子供は子供なりに親への信頼感を持つ事

2.演出・演技・物語のすばらしさ。
 a.ドキュメンタリーを観ているような演技・演出
  ∟樹木希林さんの「Theおばあちゃん」
  ∟リリーフランキーさんのちょい悪さ。それでもどこか可愛らしさと人間的な優しさを感じる部分
  ∟松岡茉優さんが世の中的にはみ出し者の生活をしつつも、おばあちゃんには甘える人間らしさ
  ∟安藤サクラさんのお母さんとしての優しさ・温かさ。その中にも「女性」としてのなまめかしさをもつギャップ
 b.万引き家族が家族になったきっかけのサスペンス的要素
 c.ラストシーンのそれぞれ
  ∟兄(城桧吏くん)と妹(佐々木みゆちゃん)のそれぞれのラストシーンにおける対比で「家族の在り方とは」に対する帰結をさせている

・総じて、フジテレビさんの「ザ・ノンフィクション」のようにすっと入ってくる物語でありながら、提示してくるテーマは深く、重たく、それ以上のもの。こういう人間ドラマは「わざわざ映画館で観なくてもいい」派だったのですが、映画館で2000円払ってみてもよいな、と思わせてくれる作品でした。
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