ベルサイユ製麺

トゥルース・オア・デア ~殺人ゲーム~のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

2.8
最近流行りの“なんかすると死ぬ”やつです。
この場合の“なんか”は、音を立てたり名前呼んだりとかであって、入浴中にドライヤー使うとか車内でBBQするとかではありません!…あーあ、バンクシーらしきネズミの絵からペスト菌吹き出さないかなぁ…。

高校の男女混成仲良しグループが、学校生活最後の春休みにメキシコに出掛けます。とぉう!スプリング⚡︎ブレイカァァー!!
…数日経って、ビーチに首の無い焼死体がゴロゴロ。…Fin?ってのは嘘。実際は、ビーチで騒いだり、くそダサいEDMが掛かるパーティで醜い自撮り写真を電子の海に放ったりしております。…ケッ。
最後の夜、バーで出会った青年に誘われて一行は廃墟になった教会に。何するかと思いきや、始まったのは“真実か挑戦か”…。そう、肝吸い、いやキスマイ、いや君膵でもやってた、あの何が面白いのかサッパリ分からんゲームです!
グループで暫く続けるもやっぱつまらんとなった辺りで、ここに連れてきた青年が「さぁぁせぇぇぇんんん…」とドップラー効果を使いながら謝罪しつつ走って帰ってしまいます。
で、実はこの瞬間、既に悪魔の仕切る“死の、真実か挑戦か”が始まっていて…であります。

“真実か挑戦か”のルールは他の映画の描写などから推測するに、ザックリ言うと…
⚫︎出題者は“真実か挑戦か”と任意で選んだAに尋ねる
⚫︎Aは“真実”或いは“挑戦”を選択しそのように宣言する
↪︎“真実”の場合は出題者の考えた質問に嘘偽りの無い返答を。“挑戦”の場合は出題者の考えた命令を全力で行う。
⚫︎クリアしたAが次の出題者になる(以外繰り返し)
⚪︎目配せして意中の相手と茶番から抜け出す
⚪︎夜のビーチで野エロに励もうとして地元ギャング(首までタトゥー=モノホン)に見つかる
⚪︎翌朝ビーチに首の無い焼死体が…
という感じです。※⚪︎の部分はメキシコローカルルールです。
…うん。やっぱ何が面白いのかサッパリだ。普通に“真実”選んで嘘つけば良さそうなものだけど…。
そこで、今作の“死の、特殊ルール”。
基本的に悪魔が出題者で、
⚫︎“真実”で嘘をつくと即、死。大概は命懸けで守りたいような秘密を尋ねてくる
⚫︎“挑戦”は何らかの方法で(出題者の口を借りる、落書き、無線のスピーカー、脳に直接)出題する。大概は命懸けの無理難題。
…どうでしょう?「観ないとピンと来ないなー」ですかね?…これ、観てもピンと来ないよ!!
基本的に真実を選んで死んでしまう理屈が分かんないじゃないですか。したら悪魔の野郎、更に“特別ルール:真実は連続2回まで”だって!…悪魔がちまちまゲームバランス調整してんじゃねえ!運営が無能!!
で、以降ぷちぷちとプレイヤーが減っていくのですが、その死にっぷりが冴えない!ビリヤード台で頭打つとか、ボールペンで目を突くとか、まったくもってファイナルなデッドじゃないのですよ。…うん、まあ、あんまり怖いのも嫌なのでそこは良しとしようかね。
でも終盤はホント酷いよ。どんどんオカルト色が濃くなって、最終的には悪魔を封印する儀式を行わなきゃ!って大雑把な展開に…。いやいや、おかしいですよ!さっきまでソリティアやってたのにいつのまにかドラクエの竜王と戦う羽目になってるようなものですよ!コラ運営!詫び石よこせ!!

とまあ、ボロクソにこき下ろしてしまいましたが、絵作りとか基本的な部分では平均点は取れているので、飲み込みにくい設定や杜撰な脚本をブラッシュアップしてれば…別の映画撮った方が良いね☺︎
…良かった点も有ります!悪魔に操られた人間がみんなAPHEX TWINの“Richard D.James Album ”のジャケみたいな顔になるとこ。
あと、ラストの救われなさ!結構人間の本質を生易しく抉ってる気がします。
…本当に恐ろしいのは、人間なのかもしれません。…Fin?←↑ダブルでくそダサい!!!!

“真実か挑戦か”、やろうにも一緒にやってくれる人が居ないなぁ…なんて思いながら気がついたのですが、日常の中に急に現れる突飛な行動の所謂“ヤバイ人”って、一人で内なる悪魔と“真実か挑戦か”やってる人なんじゃないの?誰にだって居ますよね?心に悪魔。