岩嵜修平

アヴァの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

アヴァ(2017年製作の映画)
3.7
東京日仏学院にて。やはりレア・ミシウス、長編デビュー作から、とんでもない。ノエ・アヴィタも若干18歳で、凄まじい演技。奇しくも #哀れなるものたち と同様、女性の性の目覚め(同時に視覚を失っていく…)を描く。『Rodeo』とも同時代性を感じる無謀な疾走。警察との距離。

ポスターのイメージが強過ぎて、違う世界の話を描くのかと思いきや、映されるのはフランスの現実そのもの。シングルマザーの母親とその恋人との距離感。同世代(13歳)の子供達との馴染めなさ。犬への憧れ。性の目覚めと冒険への渇望。全てが1人の少女と青年を出会わせる。圧倒的他者の警察も印象的。

レア・ミシウス監督、『ファイブ・デビルズ』で観たSF感は無かったが、アヴァ(欲望の意味)が見る夢の描写は独創的。そして、当時のノエ・アヴィタの様々な側面を余すところなく映しとろうとする執着。撮影当時の年齢を鑑みると流石は文化の国🇫🇷と思わされるが、2017年だからこそ撮れたであろう傑作。
岩嵜修平

岩嵜修平