naoki

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのnaokiのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ぬあー、これはおもしろいなあ!中盤までの展開はタランティーノらしさはありつつも、やや中弛むような展開になっていくんだけど、全てはラストへの助走だったと気付かされた時にはもうこの作品大好きになっていたな。

実在の女優である、シャロン・テート夫妻と、その隣に住む架空の落ち目俳優(そのスタントマン)が主なキャラクター。タランティーノが自分を型作ったという68〜69年のハリウッドを描いていく。

序盤はリック・ダルトンという架空の落ち目俳優が、クリフ・ブースという専属スタントマンと共にハリウッドで奮闘する様子が描かれる。もうここが既に面白い。タランティーノらしいユーモラスなニュアンスで、自分と闘い、這い上がる姿をディカプリオが最高の演技でもって見せてくれる。子役を演じるジュリア・バターズすげえ。「今まで見た中で一番すごい演技だった」とか最高だったなあ!そのちょっと前にリックがセリフを失敗して控え室でキレまくるシーンはハイライト。

そこからクリフ・ブースとヒッピーとの一悶着、イタリアでの活躍へと移っていくけど、この辺りが若干辛かったかなあ。面白いけど、疲れを感じてしまった。アルパチーノ必要?とか思っちゃったけど、タランティーノのマカロニ・ウェスタンへの愛が出ていたんだろうなあ。

そしてクライマックス、テートの事件を連想させるお膳立てを終えたところで、あのクライマックス。疲れが吹っ飛ぶような爽快感は、イングロリアスバスターズやジャンゴのラストシーンのように、タランティーノ十八番の史実糞食らえという展開。今回は特にタランティーノがハリウッド好きということもあってか、いつもより激しめな復讐劇になってる。

このクライマックスに、ここまで俳優の格に対して活躍の少なかったブラッド・ピット演じるクリフが大活躍。いやー、LSDをキメながらのアクションで、笑わせながらカッコいいのはブラピだけだ。たまげた。火炎放射器のリサイクルも良かったなあ。そしてワンちゃんが活躍する映画は最高なので更に良かった。餌をお預けにされたのだからあれぐらい怒って当然だよ。

ちょっと長さに辟易する部分はありつつ、豪華ダブル主演と、圧巻のラストで盛り上げてくれる、全編に渡ってハリウッド愛に溢れる作品だった。
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