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ジョーカーのnaokiのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

やっと見れた!けど、連休の最後に見るもんじゃないなー。アメリカではこの映画の上映前に手荷物検査を行う映画館もある、なんていう前評判も聞いていたので、覚悟はしていたけど。

ジョーカー誕生のストーリーを描いた作品。アーサー役のホアキン・フェニックスといえば、herでの優しいイメージが強いけど、今回はその正反対の役柄を驚異的に演じている。

自分の中のジョーカー像といえばダークナイトのジョーカーなんだけど、基本的に謎に満ちた、理解不能さに魅力があるキャラクターだと思っていて。

それが今作の122分の内のおよそ8割で、見るに耐えない、不運な男の日常が描かれることで、ジョーカーというキャラクターへ抱いたことのない同情とか共感みたいな感情が湧くのが今作のおもしろく、そしてヤバいところ。あれ、こんなに同情しているおれは、ピエロのお面被って暴れる側なのか?とかドキドキしてくる体験は初めてだったなあ。

と同時に、アーサーはヘビースモーカーなんだよね。これも一気に身近感というか人間感というか、まあ最早自分の中ではアーサー≠ジョーカーという感覚になる。タバコ吸ってるジョーカーっていたことあるのかな?

ノーランバットマンファンとしては、しっかりとブルースが出てくるのはいいね。アーサーに首を締められていたやつはだいぶデブだったので、アルフレッドではなさそう。アーサーのマンションとか、アーカムとか、駅とか電車とか、まじでセットとかロケ地がカッコ良すぎる。ゴッサム感ビシビシ伝わってきた。

ええ、それで仲良くなるのかよと誰もが驚いたであろうソフィーの「ええと、アーサーだっけ?」というシーンは見事だった。けれど、その直後にこれは妄想でした、というネタバラシはいらなかった気もする。台詞だけで十分なシーンでもあったし、今作の魅力は現実と妄想が入り混じるところだと思うので、もっと徹底的に曖昧にしてほしかったかも。とはいえ、これもオチへの助走なのか。

今まで辛そうに登るばかりだった階段を、ジョーカーの姿で踊りながら降りてくるシーンは凄かったなあ。そこから電車で逃げるシーケンスは最高だね。

ラスト、アーカムでの一連のシーンもいいねー。誰もが抱いてしまうどこまでが妄想なんだ、というオチ。個人的には、アーサーは人間感が強すぎて、ジョーカー本人と考えるのはちょっと難しいなあ。まあこういう終わり方はみんなで語れるしおもろい、好き。
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