10円様

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドの10円様のレビュー・感想・評価

3.5
ディカプリオブームが日本で初めて起こったのは確か私が中学3年の時。その後ちょっと遅れてブラピブームが来た。そのあと更に遅れてタランティーノブームが来た。ブームの由来それぞれ「タイタニック」「ファイトクラブ」「キルビル」だったと思う。それから約20年の時を経て三者がようやく手を組むという歴史的一作。私ら世代には奇跡としか言いようがない。

今作は今年度のGG賞作品賞を受賞している。タランティーノが作品賞を受賞したのは初めての事である。タランティーノはこれまでハーヴェイワインスタインの下で映画作りをしてきたが、今作はハーヴェイ失墜のため後ろ盾が無くなった状態での製作である。それでも作品を完成させたタラちゃんへの労いの受賞ともとれるのだが、その為かどうか知らんが何となくこれまでのタランティーノの「面白おかしい毒」があまり観られなかったのが残念だ。それは「ジャンゴ繋がれざるもの」や「イングロリアスバスターズ」などわりかし初心者向けの作品とも違うし、「パルプフィクション」に代表されるタラちゃん玄人向けのように複雑でもない。うーん、どう評価しようか正直迷う所だが、レオとプラピの友情バディものとして見れば、タラちゃん新境地のようでもある。

今回プラピがGG賞助演男優賞を受賞したが、本戦でも受賞はかなり期待されると思う。思えば昔からレオはやんちゃな役から情緒不安定役者が多く、プラピはクール一貫だな。それが今作改めて実感できたところは個人的に大きい。

しかしやっぱり実在の人物を要所で登場させたりする遊び心ってのはタランティーノだなあと思った。あとマカロニウェスタンを貶すのはわざとだね。タラちゃんそういうのにも敬意をもってそうだし。

今作を鑑賞前にあまり知らなかったシャロンテート殺人事件を勉強したが、それほど物語りに関連してこないので大丈夫。それよりマンソンファミリーについてはある程度知っておくと良いかもしれない。
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