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グッバイ、リチャード!のmaverickのレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
4.0
2018年のアメリカ映画。ジョニー・デップが末期の肺がんだと診断された大学教授に扮するヒューマンドラマ。


末期の肺がんだと診断され、絶望の淵に立たされる主人公リチャード。余命1年と言われ、「ファ〇ク」を連発。ホント、そうだよね。そこから彼は開き直る。なら残された時間を有意義に使おうと好き放題し始める。それが笑いどころではあるのだが、ふざけているようでその行動は清々しい。倫理観や社会のルールなど、人は誰しも自分を抑えて我慢して生きている。でもそうせずに、彼のように自由に生きれたら何て楽しいだろう。生きている内に自分の人生を思う存分楽しまなくてはと、そう思わせる内容だ。

好き放題ではあるが、それで人に危害を加えたり不幸にさせるわけではない。彼に残された時間は少なく、だからこそ自分に正直に生きる。それは相手への優しさを表すことも含まれ、彼の真っすぐな言動は周りの人をも感化させる。生徒を導くだけでなく、妻と娘との関係性にも大きな影響を与える。相手と真っすぐに向き合うことがいかに大切かを教えられる話だ。

ジョニー・デップが良い味を出している。末期の肺がん患者の役柄だが、その中にも生き生きとした姿を強烈に見せつける。私生活でトラブルになり、ちょうどいろいろある時期の作品。でも映画の中では輝いていて、スターの貫禄を十二分に感じさせる。やっぱりかっこいい。友人役のダニー・ヒューストン、妻役のローズマリー・デウィットも好感持てた。生徒の一人で登場するゾーイ・ドゥイッチも可愛い。役者の魅力も光る、良い人間ドラマだ。


ふざけたノリで笑わせつつ、後半は感動で引き締める。『グッバイ、リチャード!』のタイトルは、そういう意味なのかと納得。批評家からの評価は良くないようだが、自分は好きな作品。人生の教訓にしたい話だ。
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