みかぽん

グッバイ、リチャード!のみかぽんのレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
3.7
ジョニデはこのところほぼスキャンダルまみれだったので、ようやくまとも(?)なお姿が垣間見れたと言うか。なので、色んな意味でとても良かった🙂。

大学教授のリチャードはある日、医者から「あなたはステージ4の肺がんで、治療をしなければ余命半年」と告げられる。
で、何だよそれ⁈で独り悪態を吐いて暴れること暫し。
その後は冷静に周囲を見回しても、家族は自分ごとに夢中だし、そもそも結婚生活はとっくに破綻している(加えてヨメはあろうことか勤め先の大学の学長で、しかも大嫌いなヤツと不倫中)。それでも別れないのは大好きな娘の存在も勿論だし、その娘に別れぬ理由を問われても、ある程度の年齢になると、失敗の原因を相手のせいにしなくちゃいけないから、ともはや達観の域??

そこで先ず取り掛かった周辺整理としては、お互い好きに過ごして良いけど、娘の前でのあからさまな行動はなしねでヨメと協議し、オープンマリッジ協定?を締結。
続いて、英文学を取る学生たちの選別。
基準は、本当に英文学が好きで学ぶ気のある子かのピックアップ。仕事もそうだけど、やる気や敬意のない人間にダラダラされても目障り以外にないもんね。彼らはもう子供じゃないし、自分が教えたいと思う人間を自分の基準で選んで何が悪い?
とした結果、少数精鋭で教えやすく、彼等もリチャードに一目置いているから教鞭にも身が入るってもの。
彼ら学生の前で、パブのお姉さんナンパとその先の破天荒さ…をある意味、羨望させたりもし💦そんなこんなで彼ら若者にも初モテし、今まで想像もしなかった初体験(⁇)まで経験したり😵(と、なんかもう凄いコトになってるんだけど、、本人は、「どうせ死んじゃうんだから経験しといて損はない」のスタンス? 多分)。

甲斐甲斐しい親友がまるで実は妻?みたいでほっこり笑えるし(潜在的には完全にリチャードを愛してる!)あれこれ手を尽くしてくれる。
同病が集う自助グループの場にも引きずり連れて行くのだけど、リチャードは「傷の舐め合い。トイレの消臭剤が漂うこの場もイヤ」と放って参加を拒否(治せるものならありかも?だけど、だってもう治らないんだもんね)。これが彼のスタイルじゃないのもなんか分かるし。
学長にも言いたいことは言わせて貰い、永年休暇も取りつけ、生徒に解散を伝え、世間と妻、娘にも別れを告げ、愛犬を連れて家を出る。
そして道なき道を前へ、前へ…。

命の期限が突然か、期間設定なのかは様々だけど、彼の場合は後者。そしていつかは誰しも通る道で、しかも後ろ戻りは無し。
加えて孤独な時間とも対峙しなくてはならない。
その過程を自分らしく、あくまで自律の姿勢で進み切るのか、あるいは何かに依存し守られた風で終えるのか。
例えそれが仮面夫婦であっても、後者に与する人が大半なんだろうなぁ。それって「誰もそばにいないよりはマシ」で括れちゃうのかなぁ…。

がんの生涯罹患率は2人に1人らしく。
なのでか終始、所々にニヤッと笑えるユーモア、アイロニーはあれど、乾いた笑いには換えられないと言うか。
それなりのお年に達した私などは自分ごとに置き換えて、どう生き切るのが幸せ?と考えながらの鑑賞…💦
みかぽん

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