ぎゃーー!
面白すぎる!!!!
「催眠薬物により自爆兵器となった自分」を忘れ、戦後の敵国で穏やかに暮らす人々を《電話》で次々に呼び覚ます謎の人物がいた。
それを追いかける主人公と女スパイの運命とはいかに…というクールなサスペンス。
陰謀論型『キュア(黒沢清)』を『ブラックラグーン』で包みあげたみたいな最高級の時間だった……
映画に無駄がなさすぎる、手本のような痛快映画。
「貸せ、爆破はこうやる」と言わんばかりの初手爆破。
催眠で兵器としての自分を思い出した男が空の拳銃を撃ち続け、信号ひとつで自分の口に迷いなく突っ込むシークエンス、超好き。
最初の空の1発ですでに「銃の危険性」は剥奪されているので、「未知の事象の危険性」によるゾワゾワ感だけが場を支配する。
ドン・シーゲル、優等生すぎる!
なんとなく動作にまごつく登場人物たちの、その細やかな動作により人柄を印象付けるのが本当に上手い。
だからこそただの無味なシミュレーションのようにはいかない展開が見事。
「woods are lovely, dark and deep.(森は美しく、また暗く深い)」