前評判無しで観てみたかった。
公開された頃に観てればもっと感動出来たのかもしれない。
ダスティンホフマンを彷彿させるショーンペンの素晴らしい演技。
更にそれを上回るような、ダコタファニングの表情の可愛さ。
ただこの2人は予想通り。
個人的に驚いたのは、ミシェルファイファー。
いつも男性からモテるイイ女風のヒロインの役柄が多いイメージだったが、
今回は夫から浮気される美人弁護士役。
しかも息子とうまくいっていないという。
そして見栄の為に、主人公の無料の弁護をし始めるのだが、主人公の親子2人にも負けない演技が素晴らしい。
一見完璧に見える女性が、コンプレックスを抱えてる姿、
それがまた完璧ではない不完全に見える主人公との対比、
その演出と演技が良かった。
もちろん彼女の美しさも含めて。
初めてミシェルファイファーが良いと思った。
ローラダーンも良い味出してる。
引きこもり音楽家のアニーの役柄もかなり印象的で良かった。
アニーの親のことは伏線回収されなかったが。
障害者を演出する為に、物の位置を揃えるとか、グッドチョイスなど同じ台詞を繰り返すとか、オープニングからわかりやすい。
画面の色のフィルターを変えて、
主人公の心理的な状態を表してる演出もあり。
楽曲にビートルズを使ったり、台詞にやたらビートルズが出てくる意味は正直よくわからない。
主人公が何故ビートルズにこだわってるのか、理由付けのエピソードが出てこないからだ。
幼少期や施設時代に、ビートルズの音楽に救われたとかのエピソードが少しでもあれば、良かったのだが。
ビートルズファンとしてはあまり、面白くないカバーが多かった。
例えばアクロスザユニバースなら、フィオナアップルの方が全然好きだ。
選曲のセンスは悪くないが、キャスティングのセンスはどうなんやろう。
残念ながら、このサントラのカバーアルバムが聴きたいとは全く思わなかった。
でも映画でなく、アルバムで聴いたらまた違った感想かもしれないな。
親子の愛情や、障害者が子供を育てられるのかという、映画の大きなテーマは、裁判でがっつりそのまま議論されてるので、脚本が中々良く出来てるのは評価したい。
ただこういう裁判のような対立構造ではなく、どんな形が本人にとつて良いのかを相談し合うような形にならないのがアメリカらしいなあと少し哀しくなる。
どちらかが間違ってるわけではないので、サポートするのが大事だと思うが。
そういう意味では障害者と健常者の違いがあるにせよ、
少し、gifted、に似たテーマ、映画だった。