かすとり体力

バイスのかすとり体力のレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
3.6
ブッシュ政権下において、副大統領として権勢を奮ったディック・チェイニーにフォーカスを当てた伝記映画。

めっちゃ面白かった政治風刺劇『ドント・ルック・アップ』のアダム・マッケイ監督作品ということで、作品中にシニカルな視点が透徹。それ即ちどのシーンも含意的で、脳の「知性」を司る部分をフルに発動して鑑賞する必要があるけれど、そういう風に観たらしっかり面白い。

また、各々のエピソードの積み重ねを通じて、権威と権力の本質的な部分が浮き上がってきたり、人間がこしらえたものに過ぎない「権力」という虚構が実際に現実世界を変えていくそのダイナミックさ、そして不気味さ、みたいなところが感じられたりして、よく出来ているなと感じた次第。

あとはやっぱ俳優陣の本気度。体重を20キロ増加させて臨んだクリスチャン・ヴェールは言うに及ばず、その他の俳優も本人に寄せ寄せ。サム・ロックウェルなんか、ブッシュそのものやんけ笑

作品のテーマ的に「めっちゃ面白かった!!」みたいなテンションにはならなかったものの、良く出来た作品を観たな、という感想に相成りました。
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