erica

パドマーワト 女神の誕生のericaのレビュー・感想・評価

パドマーワト 女神の誕生(2018年製作の映画)
4.4
は〜疲れた〜〜!!もちろん良い意味で!笑

"インド映画史上最高の製作費で描く"
ということでめちゃくちゃ期待していたけど、その映像美は確かに期待を裏切らなかった!
絢爛豪華な宮殿、細部まで計算し尽くされたであろう装飾やシンメトリーな構図、王族たちが身に纏う煌びやかな衣装!!は〜眼福!

インドでは誰もが知っているという古くから伝わる伝記をもとにした歴史超大作。

王国、愛、歴史、大作などのキーワードから「バーフバリ」とよく比較されると思うけど、個人的には今作もすごく良かった。

ただ、勿論「バーフバリ」越えはしなかった。
私の中で「バーフバリ」は、シリアス要素と娯楽要素のバランスが完璧な映画だと思ってる。
壮大なテーマ(共通)にシリアスなテイストは保ちつつも、所々肩の力を抜いて笑えるっていうのが理想なんだけど、まさにこれ。
大船が空を飛んだりするぶっ飛んだ演出もギャグにならずにすっと受け入れられるのが「バーフバリ」のすごいところ。笑

娯楽要素が多いのが「マガディーラ」
そしてシリアス要素が多いのが今作「パドマーワト」だったと思う

特に今作は、クスッとでも笑えるシーンがほとんどない。ゼロと言い切れるかもしれない。
終始、シリアスで重厚感の漂う雰囲気
インド映画の醍醐味、集団シンクロダンスでさえも、真面目に踊ります。
(そして踊り出したら割と長いので、苦手な人は苦手かもしれない笑)
これがどっと疲れた理由でもある。

まあ扱ってる題材が、"サティ(寡婦殉死)"や"ジョウハル"というなかなかセンシティブな内容だし、伝記の実写化だから仕方ないのかもしれない。

でもせめて、「バーフバリ」のクマラさんのようなチャーミングな役だけでも欲しかった、、

ただ、魅力的なキャラクターがいないのかというとそんなことなくて!!
この映画でめちゃくちゃ魅力的なヴィランに出会えた…!!!
敵国のスルタン、アラーウッディーン。
見た目はインド版ジェイソンモモアって感じ笑
とにかく存在感が半端なくて、敵対するパドマーワティの夫ラタンシンが霞んでしまうほど。

この人の演技には圧倒されたし、なんと言ってもキレッキレのダンスシーンは圧巻。。

強欲で野心家。
欲しいものはどんな手段を使ってでも手に入れ、どんどん勢力を伸ばしていく。
眼光は鋭く狂気的なんだけど、なぜか惹きつけられるカリスマ性も持ち合わせていてなんかもう、すごい。笑

パドマーワティの美貌と対比して描かれるアラーウッディーンの邪悪さが素晴らしかった
両者が際立つ演出が良い。

そしてラストシーンまでの静かな盛り上がり
ものすごくざわざわしたし、神々しかった。
聡明なパドマーワティのとった選択をただ見守るしかなかった
あの画面いっぱいの"赤"が忘れられない。。
その影で、1番欲しいものを手に入れられず絶望するアラーウッディーンの悲劇的なラストも印象的。

どのシーンも大迫力×圧巻の映像美で素晴らしかった。。
一本の映画から得られる満足感がすごい。

これだからインド映画はやめられない!
erica

erica