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愛しのアイリーンのdramaticgasのレビュー・感想・評価

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)
5.0
ヒトという動物たちによる”愛”のムービー。

無償にして無限の母の愛というノロイによって自己愛の沼に沈む四十路男が、初めてマスターベーションではないメイクラブに挑み(周囲を巻き込みながら)失敗するまでの物語。彼がもがき苦しむ日々は要約するとただ醜いものだけれど、どうしようもなく美しい瞬間が確かにそこにあった。

ラストの回想シーンは、本作のもう一人の主人公(映画の終わりのタイミングを考えると彼女こそが真の主人公だといっても過言ではない)の母にとって息子が文字通り分身であり、彼女の愛も形を変えた自己愛でしかないことを示しているのだ、多分。

あと直近3作品に連続で女性の放尿シーン(うち2作は失禁)を差し込んできた、自らの性癖に正直すぎる吉田監督には尊敬の念を禁じえない。身内は嫌だろうけど。