アンダーソンGK

パンク侍、斬られて候のアンダーソンGKのレビュー・感想・評価

パンク侍、斬られて候(2018年製作の映画)
4.3
町田康原作、石井岳龍(聰亙)監督作品。

おそらく江戸時代を背景に、素浪人が新興宗教の勃興による恐怖を煽ることで、とある藩の政治につけ込んでいく物語。割と政治のいやらしさを、デフォルメされた設定によって、馬鹿馬鹿しく描いていく…。

クドカン脚本と町田康の原作が、どこまで馴染むのかが不安だったが、時代モノを現代語の感覚で描き切ってしまう、風通しの良さはまずまずな感じだった。

クライマックスの戦闘シーンは、石井聰亙時代からのカオスな破壊衝動や、ぶっ飛んだ精神世界の描写が、最終的に強烈な虚無感をもたらす怪作!
そのまま、隆起する立体文字によるタイトルバックからの、アナーキーインザUKの流れはお見事。