あまり期待せず観たが、思いの外素晴らしくB級アクションの王道だった。
凄腕の殺し屋が、父でもあるボスからその「殺し」を禁じられ、悪戦苦闘する物語。
ぬるいアクションエンタメかと思いきや、主人公以外の登場人物は全て外道の悪役であるため、ハードバイオレンス。時折ユーモアを交え、娯楽映画としての緩急も忘れない。
当代の若手俳優たちに悪役を演じさせ、ベテラン俳優はその脇を固め、主人公のイノセントを際立たせる。
ゴミ処理場をアジトとし、そこでの拷問・死体遺棄の見せ方や、その空間を活かしたアクション演出は文句なしの出来栄え。
ただラスボスとの直接対決シーンは、もう少しアイデアが欲しかった…。
娯楽映画として真っ当な構成で見せる本作は、その続編への展望も含め、大いに満足できる内容だった。
