コマミー

戦場のレクイエムのコマミーのレビュー・感想・評価

戦場のレクイエム(2007年製作の映画)
3.7
【時代に埋められた者たちを救う】


[気まぐれ映画レビューNo.93]



衝撃的な作品であった。

こうゆう意味でも"フォン・シャオガン"監督の作品は見応えがある。

政府に……いや"時代に埋められた"将兵たちの無念を救う為に、奔走した軍の"中隊長"を描く物語だ。中国国内で起こった"国共内戦"の中の三大戦役のひとつ"淮海戦役"を描いた作品だ。

国共内戦が終わって、戦場で散った仲間への扱いが戦場から失踪した「失踪兵」扱いとして扱われ、その将兵が埋められた地には新しい鉱坑が開かれる事を聞いた元中隊長は、その"名誉回復"の為に奔走するのだ。

物語のメインはおそらくそこにあると思うし、そこを中心的に扱っていると思う。正直回り道し過ぎてる為、少し混乱してしまったが、当時の中国がどれだけ"厳しい時代"であったのかを見せるにはとても良い描き方だと思う。
あえて付け加えるならば、"チャン・ハンユー"の演技が良かった事と、もう一つの欠点として国共内戦について説明が少し足りなかった事だ。

世界に目を向けてみても、やはり戦争と言うのは様々な悲しみを生む。しかし、人民の為にやむを得ず蜂起した例もある。
全ては明日を掴む為、よりよい生活を送る為に蜂起する。

そんな人々の気持ちを踏みにじむのも、国なのかもしれません。
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