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5時から7時までのクレオの10000lyfhのレビュー・感想・評価

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)
5.0
午後 7時に癌宣告を受けるかもしれないクレオの 5時以降の、人生が凝縮されたような体験や心象を、メイドや恋人や友人達、モブ、新たに出会った男性とのインタラクションを通してリアルタイムで描く。観る前に予想しなかったレヴェルで揺さぶられ、刺さった。主人公の体験や心象は性別不問だが、このような一人の人物の主観を描いた映画で、女性を主人公に設定し、かつリアルに描いた作品が、この当時まで、他に皆無だと思う。特に、パリのロケやジャンプカットで映像的に類似性のあるゴダールの、セバーグやバルドーやカリーナを演出した女性像が、いかに男性の解釈や理想に基づいたものだったか、本作との対照でクリアに。創造的な映像表現が効果的(トリュフォー的な人の CU とモノとの間の瞬ティルト/パン、鏡を使った長回し、音楽に合わせたカメラ揺れ、一人称(的)と三人称の大胆なカット割)。ミュージシャン役で出演もしているミシェルルグランの劇伴、テーマ的モティーフのアレンジが毎回違うなど、主人公への寄り添いが繊細
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