riesz77

フード・インクのriesz77のネタバレレビュー・内容・結末

フード・インク(2008年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

内容を書くので少し過激です。

最近観た『ありあまるごちそう』の予告で知ったドキュメンタリー。こちらは企業に焦点を絞った資本主義の弊害を暴く映画になっていて、見たら気持ちが落ちる。勉強になったけど、前回見たドキュメンタリーの衝撃が大きくて、映像を見慣れてしまった自分が怖い。先端に穴の空いた三角コーンを逆に吊るし、鶏を突っ込んで首を斬る。豚を大きな機械でまとめてプレスして殺す。描写はなかったと思うけど、牛は電気ショックで殺す。牛は人間に殺される直前に怯える(たしか『いのちのたべかた』という映画)。オーストラリアの羊の食肉工場で働いてた友だちから聞いた話によると、羊を殺すとき、子どもを身ごもった母親羊は即座に出産することがあるらしいです。

『フードインク』では、残虐に扱われる動物たちと、こうしたところで働かざるを得ない状況の労働者の人たちを、まるで物のように扱う「大企業」の闇を暴く内容になっている。1つのテーマごとに問題を抱えているから対処しきれない。山積み過ぎて政府もスルーするくらいグレーゾーンな問題ばかり。そういった大量生産や遺伝子組換え食品は通常よりも安価で売られるから、低収入の家庭や貧困層は大企業が生み出す食品に頼らざるを得ない。その食品の中には大量の農薬や殺虫剤が含まれる可能性があり、トランス脂肪酸などの有害物質や産地の非表示など。悪質。

お金がないのは仕方ないにしても、無知なのもどうかと思う。知識があるだけで少しお金を払ってでもしっかりした食材を選ぶし、お金がないなら違うものを購入すればいい。そこで現れる1ドルバーガー。結局、大企業は市民の健康にまったく関心がない。矛盾だらけ。

大企業が悪く書かれた映画だけど、そこで働く従業員にも後ろめたさがあり、悪いことをしてる自覚はあるにしてもいい面にばかりフォーカスを当てて悪いことから目を背ける。その人にも家族がいたら辞められないし、不特定多数の人よりも身近な人が豊かに暮らせることをまず考える気持ちもよくわかる。矛盾すぎる。

これを観てたら資本主義や、豊かすぎる食生活の考え方などを疑ってしまうけど、人間にとっては最適な気もする。

そこに多くの人の苦労があること。
無数の命がぞんざいに扱われている事実。

直接は何もできなくても、いただきますとごちそうさまに気持ちを込めることが大事。あと食べることが好きな人は全員、この映画を観ればいいと思う

Filmarksからまさかの777本目おめでとう通知がこの映画。昨日観た『レディバード』が良かった。。
riesz77

riesz77