吉田コウヘイ

嵐電の吉田コウヘイのレビュー・感想・評価

嵐電(2019年製作の映画)
3.5
DとGのコード・ストロークが紫色のローカル電車が刻むリズムと調和して、ゆっくり浮かび上がる日常。やがてAmと共に、向かいから運命がやってきて交差する。

大映、日活、東宝の撮影所を結び、映画の記憶をたっぷり染み込ませた嵐電。台本の読み合わせ、8ミリフィルム、コーヒー。京都と鎌倉、2017年と1953年がピュッ!と繋がる。引きのショット、左端のキス。

「帷子ノ辻駅で、待ってます」

傍観者たる井浦新さんの透明さ、車窓の光に照らされる大西礼芳さんの鼻の形が美しくて愛しい。