ノッチ

バーニングのノッチのレビュー・感想・評価

バーニング(1981年製作の映画)
4.0
キャンプ場でのある夜、悪ガキ連中は気に食わない管理人クロプシーを驚かそうと悪戯を仕掛けるが、それが原因で管理小屋は全焼。

クロプシーは全身に大火傷を負い、見るも無惨な姿となってしまう。

数年後、復讐の権化と化したクロプシーは、キャンプ場に姿を現した。

巨大なハサミを手にした彼の復讐が幕を開ける…。

アメリカ全土を呑み込む80年代ホラー映画ブームの絶頂期に発表され、全米27州で上映禁止となった問題作。

『13日の金曜日』のトム・サヴィーニが特殊メイクを担当。

夏の茹だるようなくそ暑い昼間に冷房でキンキンに冷やした部屋で観ると楽しさ10倍。

前半はダレ場も多めだが、50分くらい経過したあたりからスプラッター度が増し面白くなっていく。

『13日の金曜日』の大ヒットに目をつけたプロデューサーが、特殊メイクを担当したトム・サヴィーニを引っ張ってきて速攻で仕上げた本作。

内容的には『13日の金曜日』の二番煎じであり、新鮮さは感じられない。

ノリとしては『13日の金曜日Part2』にそっくりである。

しかし、“キャンプ場”殺人鬼ホラーの亜流版ではあるが、所々の殺人鬼の出方にアイディアを駆使してます。

そして見所はずばり、トム・サヴィーニの特殊メイクを駆使して描く超過激残酷描写の数々である。

ボート上でのハサミでの殺戮シーンは必見。

逆光を背景に襲ってくるハサミ男クロプシーは、数あるスラッシャー映画の殺人鬼でもトップクラスの格好良さです。

ハサミで突き刺されたり引き裂かれたりした犠牲者が、激痛にもがきながら絶命していく姿は何とも痛々しい。

あと、バーニングなだけあって人が燃えるシーンもあるんだが、そこも結構見応えがあって良かったです。

観客の観たいものをどう見せるかという視覚的なスプラッター効果を見事に発揮させた演出手法は、製作当時としては大正解だったのである。

最後に有名な話ですが、日本で配給された際は、クロプシーは東宝東和の宣伝部の手により、"バンボロ"と改名させられ、全米指名手配の殺人鬼ということにさせられていました。

キャッチ・コピーは「バンボロ・ショック」です。
ノッチ

ノッチ