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子どもが教えてくれたことのakrutmのレビュー・感想・評価

子どもが教えてくれたこと(2016年製作の映画)
4.0
持病のために健常児と同様の暮らしを送ることのできない5人の子どもの日常を撮影したドキュメンタリー映画。監督は作家のアンヌ=ドフィーヌ・ジュリアンであり、同じような境遇の娘との短い日々を綴ったノンフィクション『濡れた砂の上の小さな足跡』はフランスでベストセラーとなった。今度は映像で視覚的に訴えたのが本作ということになる。

本作では、動脈性肺高血圧症で定期的に薬剤を静注するためのポンプを入れたリュックを背負っているアンブル、表皮水疱症で肌が傷つきやすいために全身を包帯で覆っているシャルル(+入院している病院での大の仲良しのジェゾン)、慢性腎臓病で透析が欠かせないイマド、神経芽腫という小児がんを患っているカミーユ、テュデュアルという子どもたちの素顔を映し出されている。

特に奇をてらうことなく、子どもたちの日常を淡々と描くというスタンスで撮影されていて、病気を持ちながらもまったく暗さを感じさせない子どもたちの素顔が印象的でもあるし、勇気づけられもする。一方で、ところどころで見せるわがままや悲しみに、子供らしさを感じるとともに、ちょっとジンとくる。彼・彼女らに幸せな未来が待っていることを願わざるを得ない。
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