しんご

PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1「罪と罰」のしんごのレビュー・感想・評価

3.6
「相棒」の2時間半スペシャルでやるような密度の濃いテーマをわずか60分に凝縮してお届けするのはさすがのPSYCHO-PASSクオリティ。短いながらも劇場に足を運ばせるには十分な内容でした。

今回もシュビラシステムの盲点を突いた組織犯罪が出てきます。監視社会において監視する側が完全なる「善」とはなり得ず、彼らに迫害される「弱者たち」が本作では登場しますが相変わらずメッセージ性強いし濃すぎ。もはやシュビラ要らないだろくらいシステムの欠陥が露呈する展開はゾクゾクする。

キャラについて驚いたのは宜野座さんの溢れる父性と霜月の成長。あんなに尖っていた宜野座が子供にお菓子を買い人間の強さを優しく説くシーンを見ると心なしかお父様の征陸さんがオーバーラップして切ない感情に。からの激しい戦闘シーンのカッコよさたるや。MX4Dで観賞したからとにかく揺れまくり水しぶきかかりまくりで自分も一緒に戦っているようなシンパシーが笑。

霜月に関しても、TVシリーズではめちゃくちゃ嫌な奴だったのが本作ではガラリ。功名心と気の強いのはおなじみだけど、シュビラを前提としつつも彼女なりの善行を全うする姿には魂を感じた。「正義の味方」という時代遅れとも捉えられがちな彼女のワードから熱い清々しさが漂う。

15日(金)から公開のCase2にも大いに期待が持てる素晴らしいスタートダッシュ作品。
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