リーアム兄さん

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へのリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジュニアハイスクールの卒業を迎えるごく普通の女の子ケイラの物語。ニキビ面でぽっちゃり、いわゆるスクールカーストの底辺にいる女の子。細身のイケてる女の子とは表面だけの付き合いを繰り返す日々、そして女の裸にしか興味がない男の子が気になってしまう始末。ツイッターやスナップチャットも小さい頃から当たり前のように使ってきたまさに今時の女の子、バズフィードやインスタを毎日のようにチェックし、時にはYouTubeに動画をアップするも誰にも相手にされずあっという間に時が経ってしまう。エイスグレードまでにはきっと素敵な彼氏ができる、楽しい学生生活が送れるはずと、夢と希望にあふれていた過去がむなしくなる。学校行事で高校3年の子と触れる機会に恵まれ、一瞬高校では別の世界になると期待する。しかし相変わらずたわいも無い会話、セックスのことばかり考える男達と今までと変わらない退屈な学校生活を送ることになることを察する。誰にも認められない、だけど父親だけは常にケイラを気にかけて見守り、なんの取り柄もないケイラの成長をずっと影で支えてくれていた。レディバードや6歳のボクが大人になるまでなどと共通する親の温もりを感じさせる映画となっている。吹っ切れて平凡な生活を送ることを決意したケイラ、客観的には小さいことかもしれない、だけどケイラにとっては大きな成長。ごく普通の女の子の思春期の葛藤をストレートに描く普段なかなかみられない貴重な作品であった。口コミで上映拡大していったことから、ケイラのような悩みを持った子達が大勢いると予想される。起伏の激しい映画ではないけれどシンプルに同世代の悩みを描いており一見の価値あり、オススメ!グッチー!