リーアム兄さん

フリー・ガイのリーアム兄さんのレビュー・感想・評価

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
3.3
モブキャラがプログラム通りの動作をしなくなったら・・カラーオブハート、恋はデジャヴ、トゥルーマン・ショーのように何かの役割で予定調和的行動を取らされていた主人公、自分の知らない世界に直面し、困惑の中自ら新しいことにチャレンジしていく。今の状況を打破すべく、普段取らない行動がトリガーとなり、神経系のように新しい経路が作られていく。ゲームがオンプレミスサーバーで運用されており、予期せぬ人工知能が動作したら、既存のサーバーでは負荷が重くなり、ゲーム自体がすぐディスコネクトしてしまうと思うのだがそこはファンタジー。

ディズニーに買収され20世紀フォックスから20世紀スタジオへと社名変更後のディズニIPとの夢のコラボ。リックアンドモーティ、デッドプール、アベンジャーズインフィニティウォーなどゲームプレイヤーのポスター然り、お助けツールが物語る映画オタクネタの宝庫であることは間違いない。

映画や漫画など作品のクリエイターは必ず何かの影響を受けている。恋愛経験の少ない漫画家は身近な人をモデルにせざるおえず、ヒロインにその彼女を投影することも少なくない。オリンピックのエンブレム盗作疑惑、建造物設計のパクリなど、今ではネットですぐに調べられてしまい、類似品がすぐ明るみになりクリエイターの悩みの種となっている。facebookやGoogleが初めてのビジネスモデルを作ったわけではなく、既存のビジネスをマネて今の権力に至ることを忘れてはいけない。フロントランナーではなくキャッチアッパーなのである。グランド・セフト・オート的eゲームスでビジネスの成功を掴んだワイティティ演じるゲーム会社社長の没落、減点主義短期失脚化する世界を象徴している。

ゲームスタート地点で遭遇するワンダとダイヤと優しい奴ら的な金魚シーンが個人的には一番のお気に入り。スピルバーグの与信で実現したレディプレイヤーワンのように、ディズニー買収後のIPコラボレーションを楽しめ作品となっている。