Koutaro

今日も嫌がらせ弁当のKoutaroのレビュー・感想・評価

今日も嫌がらせ弁当(2018年製作の映画)
2.2
ハートフルコメディで暇に飽かして家族で観る分にはちょうど良い映画。八丈島ののんびりとした雰囲気が作品によく合っている。

作品の根幹である母と反抗期の娘の関係性についてはそこそこ丁寧に描かれてはいるものの、良かった部分といえばそこだけで、原案におんぶにだっこのような形になっている感は否めない。
それ以外の部分はほとんどすべてお約束通りの予定調和といった印象。

特に酷いのが娘の幼馴染の描き方。
娘の青春を描くためだけに唐突に現れ、脈絡もなく話を展開させるためのキーワードだけを残して去っていく。もはや娘の空想上の人物を描いているのではないかと錯覚するほど。

ブログ読者のシングルファーザーのサイドストーリーも、始まり方こそ良かったものの、本筋が山場に入ったことで途端に影が薄くなり、最後に思い出したかのような中身の薄いドラマを展開してさらっと片付けられている。
どうせなら、もっと互いの問題にしっかりフォーカスして、『キャラ弁』という要素を通じて物語をリンクさせながら解決してほしかった。

映画として完成されているとは言い難いものの、原案となっているエッセイやブログの広告塔としては十分な役割を果たしている。
ただし、ではそれらを知った上であえて映画を観る必要があるかというとそうでもない。
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