Koutaroさんの映画レビュー・感想・評価

Koutaro

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ラフラフダイ(2022年製作の映画)

2.8

アイデアはとても面白い。
小規模制作の作品らしいというべきか、作り手の想いはよく伝わってくる。

ただ、この設定の落とし所を見つけるのはかなり難しそうである。
実際にどういう展開にするのだろうと興味深
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耳をすませば(2022年製作の映画)

1.8

やりたいことをやろうとしすぎてすべてがとっ散らかっている。
ターゲット層がどこなのかも今一つ定まっている気がしないし、結局何を伝えたいのかもよくわからない。
もはやテーマも何もあったものではないので、
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.3

伝記映画と呼ぶにはやや演出過剰な印象。
ただ、エルヴィスのパフォーマンスの破天荒なイメージと、エンタメ性の高いやや過大気味の演出が妙にマッチしていて伝記映画という先入観さえなくしてしまえば十二分に楽し
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太陽とボレロ(2022年製作の映画)

1.7

水谷豊監督作品は初鑑賞。
なんというべきか……今の日本の映像業界の悪いところを全部煮詰めたような作品。
音楽が題材の映画としては王道的なストーリーで、着想としてはそれほど悪くはない。やりたかったことは
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ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

たまたまVOD配信されているエクステンデッドカット版を発見したので久しぶりに鑑賞。
定期的に観たくなる戦争映画の一つ。
やはり、局地戦闘を描いた映画の中では指折りの名作。
2010年代以降の先進的な歩
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リスペクト(2021年製作の映画)

4.0

一にも二にも、ジェニファー・ハドソンの演技と歌声に圧倒される。
これだけでも一見の価値はあった。
これまであまり興味もなく、実際にどのような音楽のことを指しているのかよくわからなかったソウルミュージッ
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ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019年製作の映画)

4.4

社会派の伝記映画。
一貫して陰鬱な雰囲気でストレスがかかり、息をつく箇所がほとんどないが、それだけに世界トップ企業に対峙する主人公の緊張感や焦燥感は強く伝わってくる。
その中で、ふっと緊張感を緩めてく
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.2

3Dで鑑賞。
さすがに疲れた。3時間オーバーの映画を3D鑑賞するのは眼精疲労との戦いになりますね。
とはいえ満足感は充分。引き続き画面の美しさは圧倒的で、3Dならではのエフェクトも楽しい。
舞台を海に
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シャッター アイランド(2009年製作の映画)

4.7

初鑑賞…のつもりで観ていたが、終盤の既視感からすでに鑑賞済みだったことを思い出す。どおりで大筋の展開が予想できるわけだ。
本作に関しては多くを語るべきではないだろうが、結末を知った上で細部を気にしなが
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アバター(2009年製作の映画)

3.4

公開当時「なんだかコンセプトがよくわからなそう」という理由で避けていたものの、新作を観に行くためにも初鑑賞。
当時の予想に反して、良くも悪くも思っていた以上に普通のヒロイックムービー。
ストーリー的に
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マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

3.6

自叙伝を元に作られてはいるはずだが、おそらくそれほど厳密に原作のテイストをなぞっているわけではなく、ポップな雰囲気で作者の青春時代の出来事をライトに描いているような印象。
自分探しの過程で起きた出来事
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キネマの神様(2021年製作の映画)

3.8

原作付きとは言いつつも、実態はほぼ完全なオリジナルストーリーということではあるが、予想以上に脚本が良い。
古き良き昭和の撮影所の情景は、松竹と、当時を知る山田洋次監督だからこそ描けたもので、おそらく今
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.2

最初に思ったのは、マイクミルズはどうしてこれをモノクロで撮ったのかということ。
なんとなく、環境音の情報量が多いような気がして、すぐにスピーカーからヘッドホンに切り替えた。

物語そのものは淡々として
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目撃者(2017年製作の映画)

3.2

サスペンスというよりはスリラーに近い印象。
主人公をはじめ、妻や刑事など、主要キャストの演技は印象的。
焦燥感を覚えさせる演出やスリリングな展開も多くて、ある程度割り切って観れば面白い。

ただ、やり
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

キャスト変更で物議を醸し、下がってしまっていた前評判をクオリティで完全に覆している作品。
原作者が制作に深く関わっていると言うだけあって原作に対する理解は非常に深く、構成や展開には全く無駄を感じない。
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ダ・ヴィンチは誰に微笑む(2021年製作の映画)

3.7

フィクションなのかと思って見始めれば、がっつりドキュメンタリー。この手の映画を普段自主的に観ることがないのだか、しっかりとした作りの上で観客を飽きさせないような工夫も見受けられて、なんだかんだ最後まで>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.3

ヒューマンドラマと呼ぶにはキャラクターの掘り下げが甘く、ロードムービーと呼ぶには展開のメリハリに乏しい。中途半端といえば中途半端で、様々な設定や伏線も活かしきれているとは言い難い。

ただ一点、道中に
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.3

ビターエンドの代表格と呼んでいいほどに、とにかく観ていてやきもきする映画。
後味は非常に悪いが、バッドエンドと呼べるほど決定的な結末を迎えているわけではなく、だからこそ、非常に心がざわざわする。ただ、
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グレース・オブ・ゴッド 告発の時(2018年製作の映画)

4.5

実際の事件を題材にその公判が行われるまでの過程を群像劇に近い形で描いており、非常に社会的なメッセージが強い作品。
扱っている題材が題材なだけに、一見ややとっつきにくそうなイメージを抱いていたが、物語の
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.8

個人的にこれまでなかなか触れる機会のなかった作品だが、これはもう、さすがの一言。文句なしに名作。
非常に長尺ではあるものの要所要所にしっかりと山場が用意されているおかげで全く時間を意識することなく観ら
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STAR SAND 星砂物語(2017年製作の映画)

2.3

テーマは描かれている。メッセージも伝わってくる。役者の演技も、概ね良い。
描かれているもの自体は悪くない内容ではあるのだが、しかし、観ていて非常に心地が悪い。
致命的なのは、どこかの部分がピンポイント
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ライド・ライク・ア・ガール(2019年製作の映画)

3.7

特筆するべき何かがあるわけではないが、良作の伝記映画であり、展開もわかりやすくてエンターテインメント性が高い。普通に面白い。

中盤、主演のテリーサ・パーマーとサム・ニールの微妙な親子愛の描き方が素晴
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

4.0

一にも二にもレネー・ゼルウィガーの名演が印象的。
薬物中毒で情緒が不安定な主人公の躁鬱を見事に演じている。
随所に挟まる歌唱シーンも圧巻。

脚本部分でやや演出過剰になっている印象を受けたのが少し残念
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

2.6

一流のスターたちが総出となって作られたB級ゾンビ映画という印象。
とにかくシュール。そしてなんでもあり。
メタ発言が飛び出せばキャストイジりも監督イジりもする。
伏線や設定は全て投げっぱなしで回収する
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海辺の映画館―キネマの玉手箱(2019年製作の映画)

5.0

鑑賞のハードルはすこぶる高いが、間違いなく後世に遺すべき傑作。
大林監督の想い出と、愛と、メッセージとがぎっしりと敷き詰められている。
白虎隊、娘子隊、桜隊を中心に戦争と人命といった重厚なテーマを扱っ
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15年後のラブソング(2018年製作の映画)

3.5

終始明るい雰囲気で、セリフにも演出にもセンスのいいユーモアが非常に多く、気分良く観ていられるラブコメディ。

『人生はいつでも何度でもリセットできる』という振り切ったテーマが随所に垣間見え、うまく行か
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今日も嫌がらせ弁当(2018年製作の映画)

2.2

ハートフルコメディで暇に飽かして家族で観る分にはちょうど良い映画。八丈島ののんびりとした雰囲気が作品によく合っている。

作品の根幹である母と反抗期の娘の関係性についてはそこそこ丁寧に描かれてはいるも
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アメリ(2001年製作の映画)

4.0

これといって何かが起こるわけでもなければ、特筆するほど奇抜な登場人物が出てくるわけでもない。
ちょっと変わった人たちのごく普通の日常と恋愛模様を綴った観察日記のような映画。

本筋と並行して描かれるサ
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天気の子(2019年製作の映画)

2.8

ここまでがっつりとしたいわゆるセカイ系作品を久しぶりに観た。
ジャンルとしては嫌いじゃない。ただ、称賛できる作品かといえばそうでもない。

絵は非常に美しい。新海作品は他に『君の名は。』しか観ていない
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名もなき生涯(2019年製作の映画)

4.1

紹介文を見てオーソドックスな戦争映画かと勘違いしていたが、実態は高度な宗教観と「心の自由」という哲学的なテーマを扱った重厚な作品。

余計な台詞が一切なく、映像で描ける部分はすべてそれだけで表現しよう
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楽園(2019年製作の映画)

3.2

上映時間も内容的にも非常にハイカロリー。複数の短編小説を脚色しただけあってややオムニバス的な印象を受ける。
メッセージ性は強烈。力いっぱいのボディーブローを受けたような感覚。ただ、逆を言えばそれだけで
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悪人伝(2018年製作の映画)

4.8

刑事ドラマがベースではあるものの、ゴリゴリのヤクザ映画でもあり、気合の入ったカーチェイスまでやってしまう、サスペンス・バイオレンス・アクションのフルコースディナーのような映画。
ともするとどれも中途
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YESデー ~ダメって言っちゃダメな日~(2021年製作の映画)

3.4

シチュエーション・コメディを一本の映画にまとめたような作品。
少しギクシャクした家庭関係を修復していく王道ストーリーではあるが、思い切りよくギャグに振り切っていた点は好感が持てる。特にラストカット。
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

良くも悪くも、スパイク・リーらしい作品と言えるかもしれない。
内容としても良作ではあるのだが、何よりも公開時期が絶妙だった。惜しむらくはあと二年遅ければ、凄まじいムーブメントを起こしていたかもしれない
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さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

3.0

テーマは良い。絵も美しい。舞台設定や雰囲気も王道のファンタジーで好みではある。描かれている内容も粒ぞろいであり、個々を取り上げていけばすごく面白いものを扱っている。にもかかわらず、それらをすべて組み合>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

5.0

評判は耳にしていたものの、「ありがちな戦争映画では?」という先入観からずっと視聴を見送ってきた作品。観て後悔。もっと早くに観ればよかった。
『対米戦争中の広島』といういかにも戦争の凄惨さを描きやすい舞
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