Koutaro

マイ・ニューヨーク・ダイアリーのKoutaroのレビュー・感想・評価

3.6
自叙伝を元に作られてはいるはずだが、おそらくそれほど厳密に原作のテイストをなぞっているわけではなく、ポップな雰囲気で作者の青春時代の出来事をライトに描いているような印象。
自分探しの過程で起きた出来事や知り合った人々との交流が描かれてはいるが、それほど深い心理描写は感じられず、トントンと話が展開していく。
鑑賞後の感覚としては、思春期向けの児童文学を読んだ後に近い。

大人向けのしっかりとした人間ドラマを求めて観ると、この終わり方には少しモヤっとする。この先にこそ本当のドラマが展開されるであろうことを知っているから。
一方で、児童文学的な作品と捉えればこの終わり方が正解という気がする。
主人公の表情もころころと動いて愛嬌があり、肩肘張らずに観られる映画ではあるが、ドンピシャにウケる層はかなり限定的かもしれない。
個人的には鑑賞後の印象も込みで嫌いではない。
Koutaro

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