キューバ沖の小さな島にある先祖伝来の屋敷を相続したメアリー・カーターは、ひょんなことからラジオのアナウンサーのラリー・ローレンスと、彼の運転手アレックスの三人で島に渡る。
しかし、島に到着した彼らの前にメアリーの先祖の幽霊が現れ、さらにはゾンビの襲撃にまで遭い…。
謎の要素を持つホラーコメディ。
間違いなく、1940年代の最高のコメディ/ホラー映画のひとつ。
コメディとホラーの要素は、互いに干渉するのではなく補完的なもの。
ストーリーはテンポよく動き、エンターテインメントの価値を示し、コメディ、ドラマ、ホラー、ロマンスの良い混合物になっています。
ゾンビのシーンは、真剣にも、笑いとしても機能しています。
この映画、一応ホラーではありますが、確かに怪奇現象が起こるという言い伝えのある怪しげな城で、ゾンビらしき姿の男やホログラムのような幽霊が現れるものの、幽霊屋敷を舞台にしたコントの一場面のような気分で観ていてあんまりホラーという感じはしない。
しかし、美しい制作デザインと写真、古くて暗い家は美しい造形をしていてちょっと感動もの。
雷や稲妻のシーンも特に効果的で、怪しげな雰囲気を醸し出します。
セーリングからハバン港へ、そして城の中や列車、船、街の風景まですべてが美しく、面白い作品です。
キャストも、ポーレット・ゴーダードは非常に魅力的で好感度の高い女性です。
ウィリー・ベストはボブ・ホープの使用人として多くの笑いを与えてくれます。
ラスト近くでは、彼が思いもよらないとぼけた活躍を見せてくれました。
しかし、人種のステレオタイプの要素があり、今では多少気になるものがあります。
また、始めの方で殺された男はなぜ殺されたのかとか、ギャングの件はどうなったのかとか、気になる点はいくつもあります。
でもまぁ昔の映画なので目をつぶりましょう。
まさにコメディホラーの古典ですね。