「人間の時間」シネマート新宿で鑑賞。鬼才キム・ギドク監督の宗教観、死生観が反映されたハードな寓話ファンタジー。ある意味、いつも通りの展開かも。
予算等の制約もあるが、序盤から設定、演出の杜撰さが顕著で、映画としては駄目なレベル。
古い軍艦を改装した客船に乗せられた様々なツアー客が性欲、食欲を爆発させながら客船は未知の空間に向かって行く描写は、ポン・ジュノ監督の「スノーピアサー」を想起させる。
砂を集める物静かな老人が印象的。神の視点を持った人物に見えたが、それは間違ってた。ある意味、残忍で自己犠牲のアンパンマンだった。
身体を張ったイヴ役、藤井美菜が素晴らしい。迷いながら正しく生きようとするアダム役のチャン・グンソクも良い。
終始描かれるエロ、暴力、グロテスク描写、人体損壊、人肉の食事シーンはやはりハード過ぎる。
爽やかなラストの地球は絶望的。