チッコーネ

バーニング 劇場版のチッコーネのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
3.2
原作はだいぶ前に読んだので全く覚えていないが、本作を観賞後に振り返ると、猟奇の香りを運ぶデティールや台詞が多かったことに気づく。
中でも女性蔑視に対する言及は、比較的わかりやすい。

韓国サスペンスでよく取り上げられる扇情的な題材を選びながら、主題は当事者の心象にスライドすることが多い監督作だが…、本作も然りだった。
「大学を卒業しても、多くの若者が就職できない」という社会問題の当事者である主人公が、モラトリアムな日々の中で人生に惑う姿こそ、最も印象に残る。

俳優の顔に照明を当てない撮影が農地の詩情を引き立てるほか、メインキャラ3人の構図が美しい場面多数。