このレビューはネタバレを含みます
「オズの魔法使い」で知られるジュディ・ガーランドの後半生を描いた作品。
予告で「ボヘミアン・ラプソディ」や「ロケットマン」に続く、感動の伝記映画 というのを見ていたので、
伝記と有名な「オーバー・ザ・レインボー」を聴ける!みたいな体で観に行ってしまった。
でもこれは亡くなる前のことを描いたという感じで、伝記というには弱い。
「オズの魔法使」からステージの上の人生が始まったというのはわかるが、挿入感が否めない。女の子はとてもかわいい。
子供や若い頃からのダイエットや薬物、過酷な労働は辛い。抗いようがあるのか?
ステージシーンは、レネー・ゼルウィガーが別人と感じるほど、確かに良かった。
歌唱や仕草が素敵。
ゲイカップルが出てくるシーンも好き。
2人が出てくるとあたたかみがあって観ている方もホッとする。
子供と暮らしたくて、心身ボロボロでも歌い続けて、痛々しかったけれど、子供への愛情はわかった。
でもやっぱり盛り上がりには段階や手順が必要だ。
最後のロンドン公演に物語を絞っていたとしても
終盤に行くまでのエピソードが少ないのと繋がりが弱くて
ラストシーンへのカタルシスがない。
あるいはいきなりカタルシス。
期待の仕方を間違えてしまった。
そして自分がジュディ・ガーランドをあまり知らなかったのだと気づかされてショボンとなる。
最近の実話物の映画にある本人映像はやっぱりないとさみしい。
2020劇場鑑賞54本目/55