初見では何がなんだか分からないと思う。特にキリスト教の教養の無い我々日本人はな。
マンガ日本昔話の中に「正直正作の婿入り」という話があり、それを思い出す。ラザロは村の中でも低く見られており、その扱いは阿Qの様でもあるが、とにかく可哀想。でも、本人はそれを全く意識してないようで、果たして彼はなんなんだ?から始まるのが前半。
で、何や感やでブラッドベリの『ぴっくり箱」或いはジャマランの「ザビレッジ」の様な展開になるのだが、コレが実話だったのが恐ろしい!
で、ラザロは幸福になったのか?
公爵夫人に騙され搾取されていた村人たち。ラザロは村人達からも搾取されていたが、解放される前に・・・
では、搾取から解放された村人達はその後どうなった?都会での暮らしぶりは?それこそがキャピタリズムの現実の姿では無いのか?
そして奇跡の姿でラザロは教えてくれる。ラストの涙では、なぜなのだろう。とても熱い涙が溢れる。
とても不思議でだけども凄く心に残る映画。
あのオート三輪は、フェリーニのオマージュだよね!