吉田ジャスティスカツヲ

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話の吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

4.4
【最強のさんにん】

タイトルロゴよりも前にタイトルの件を処理してしまう大胆さで掴みはOK‼︎
あれよあれよと言う間に新人ボランティアされてしまった美咲さん同様…
観ている私までも主人公:鹿野にイライラさせられながら、知らず知らずに彼の人間力にハマっていくのです。

また、私が鑑賞前に懸念していた要素:
『障がい者ならば何を言ってもいいの?』
『主人公は、ボランティアを家来か何かと勘違いしている?』
も、一幕目でサッサと解決させてくれるので然程に腹立ちはしなかったのも好感触。

グリンチヨロシク、寂しがり屋で偏屈者を演じる大泉洋さん。
手足はおろか、首だって動かせないなかで人を惹きつけるお芝居は流石。
彼も当然ですが、美咲を演じる【高畑充希さんの受けの芝居】が絶妙🤣
やっぱり白目を向いて突っ伏す美人は最強の笑いを生みますな。

(以前、自身が筋ジストロフィーを演じたドラマがあるからなのか?)三浦春馬さんと、誰かの掛け合いも見所です。
しっかりコメディとして笑わせてくれますよ。
いつかまた、この三人を組み合わせての作品を作って欲しいですね👍


んー🤫ただ…
後半【泣かせ演出による若干の失速感】は否めませんし、観客の気持ちを落として、落として、持ち上げる展開もシツコさを感じるほどに繰り返されます…
時間を忘れて楽しめる作品…とまでは言えないことが難点に感じました。

また、劇中では田中くんが医師の卵であったり、その暮らしに大学が近いから若者が大勢そばに居たり…
鹿野の人間性だけで成り立っている訳ではなくて【鹿野と介護者たちの成功は、かなりの割合、運や偶然性に恵まれていたから】と、今の私は考えます。
誰かが今作を観てヘルパー志望が増えそうなもんですが【本編中でも言っていたでしょう?続けること、やり通すことが大事なんですよ】きっと。

しかしながら鹿野の“命懸けのワガママ”にグッとくることは必至。
また、かねてからの壮大な夢は叶えられなかったけれども【序盤から張り巡らせていた小さな希望が叶ったラストシーン】。

最後には観客全員が明るい気持ちで退館でしたよ👍