空海花

読まれなかった小説の空海花のレビュー・感想・評価

読まれなかった小説(2018年製作の映画)
3.3
予告編くらいの前知識しかなく、ひたすら長そうだというのは承知で。

いやー長かった。
そして読書感映画また観てしまった。
会話の多い、字幕読書。
しかもしつこくてお洒落ではないのがこの作品の要。
主人公は鬱屈を隠せない、家族や作家、友人にとかく言葉を浴びせる。
暴言ならまだしも何か最もらしく。
ぼやきに近い。
そしてとにかくしつこい。
相手のパーソナルスペース入りすぎなのも含め。

作家志望の若者なので
本のこと、芸術のこと
家族のこと、宗教のこと、仕事のこと…etc.
『冬時間のパリ』で会話劇と字幕読み、経験しておいて良かった。

トロイの木馬があるところ。
トルコの田舎の風景や雰囲気
私小説のような回想録のような
野生の梨の木のある場所
朝食にたまに食べると美味しいって
そんな本のようで、絵画を連綿と観ているような感じが続く。

終盤、ふと色合いが変わる。

ノスタルジーの世界はとても現実的だった。
叶わないことのある現実。
でも、試してやりきって良かったのではないかな。
そこに意味があるなんて言わない。
ただその行動や時間が意味もなく愛おしい時はある。

最後には何だかちょっといい話だったと納得させられてしまった。

小説と井戸。
父と息子。


2020劇場鑑賞11本目
空海花

空海花