広島カップ

パニック・イン・スタジアムの広島カップのレビュー・感想・評価

3.0
70年代の娯楽映画史にその名を残すパニック映画ブーム。
本作と同年の1976年にはジョン・ギラーミン版『キングコング』があったり『カサンドラ・クロス』があったり『グリズリー』があったりしていましたがそのブームも終焉を迎えようとしていた時期でした。
前年には『ジョーズ』や『ヒンデンブルグ』があったのですが、翌年には娯楽映画界は『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』といった作品群の方向に大きく舵を切って行ったのでした。
「サヨナラ、パニック映画ブームよ」といった趣の作品。

ロスアンゼルス五輪の開会式会場になったスタジアムで行われるアメリカン・フットボールの全米注目のカード。
満員に膨れ上がったその会場に正体不明のスナイパーが紛れ込んだことで巻き起こる会場の群衆のパニックシーンがなんといってもハイライト。

しかし、スナイパーの描き方等サスペンスの盛り上げ方が手慣れていない感じがして、そこに至るまでがモタモタしています。

チャールトン・ヘストン、マーチン・バルサム、ジョン・カサヴェテス、デビッド・ジャンセン、ジーナ・ローランズ等々錚々たるキャスティングを揃えたにもかかわらずヒューマンなパートも散漫でいまいちなのも残念。

古代ローマのバカデカイ競技場がよく似合う男優のヘストン。
彼の威圧的な体躯は本作のバカデカイ競技場にも負けずにベストマッチでした。

それにしてもL.A.のこの競技場の観客席通路の狭さにはちょっとビックリ。今はなき広島市民球場の外野席を思い出しました。
競技場の設計もパニックの一因ではないかと思います。
新国立競技場がこんなポンコツではないことを願います。
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