ぬーたん

七つの会議のぬーたんのレビュー・感想・評価

七つの会議(2018年製作の映画)
3.2
『下町ロケット』も『空飛ぶタイヤ』も小さな下請け会社、技術者・社長が主役でその視点も面白かったし、特に下町はテレビドラマでゆっくり丁寧に描かれ主役は阿部ちゃんで、毎回楽しみだった。さて、この映画も池井戸作品で内容的には似てるが、こちらは大企業の子会社の電機メーカーの社員が主役。ノルマに必死の営業マンで、どこか応援したいという気持ちになれないところがネック。
実は邦画はあまり観ない上に狂言や歌舞伎にも縁がなく、この主役の野村萬斎は歌舞伎役者と勝手に思っていた😅狂言師だそうで、歌舞伎との違いも良く分からん。そのうち勉強せねば。企業もの池井戸作品では常連の香川照之と、片岡愛之助は歌舞伎役者。一方、下町に出てた立川談春と春風亭昇太は落語家。それにお笑いの藤森君。ミッチーに世良さんは歌手。と皆さん、役者出身でない面々がお得意のやり方で演技合戦を繰り広げてるという、楽しいけど、どこか落ち着かない感じだった。好き嫌いあるだろうし評判は良いみたいだけど、私は野村萬斎の大袈裟な演技は苦手。というか香川と2人揃ってにらみ合うのはもう会社人間にも見えない、歌舞伎対決で見得を切りそうな勢い!セリフの言い回しと表情にお腹いっぱい。お話自体もどこかで観たような…ネジっていうのも何かあったな…。
この暑苦しいメンバーに更に追い打ちをかけるのは大企業側。鹿賀丈史に北大路欣也でガッツリ。もうね、料理の鉄人と華麗なる一族だからね。特に欣也さんはあの目が、セリフなんかポツリと2、3しか言わないけど、もうあの目で睨まれたら恐ろしくて。あのギョロ目は、欣也さんか天地茂しか居ない!
ナックスの音尾君が下町の工場のオヤジ。ピッタリだね。『祈りの~』のあの悪役から挽回だわね。会社の女性は1人しか出ないし恋愛事もないからちょっと華がなかった。ミッチーとのデコボココンビは良かったけど、ミッチーがゴミ箱に吐くのは1回にしてもらいたい!誰が掃除するのか気になるし、ドーナッツも大して美味しそうに見えなかった。
橋爪功は今放送の『やすらぎ~』のスケベ爺さまとしての印象が強く顔を見ると”オモチャ”と囁きたくなる。
オーバーアクションの役者の演技が良いかどうかはともかく、観てるのは楽しく、2時間取り敢えず飽きない。でも、ストーリーとその後の其々はそれほど面白かったわけでもなかった。
ラストの得意げに話す主人公がカッコ良くは見えなかった。
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