Aya

ピーターラビット2/バーナバスの誘惑のAyaのレビュー・感想・評価

3.4
#twcn

ついにローズ・バーンとドーナル・グリーソンが結婚!!

1もそれまでの"ピーター・ラビット”のイメージを覆す凶暴で愛溢れるピーターのイマドキキャラと毒っけの強い作風が大好きでした。

当たり前だろ…”Easy A”の監督だぞ??

ローズ・バーンがピーターたちの生活を描いた絵本をドーナル・グリーソンが出版し二人で営むおもちゃ屋にはマスコットキャラのラビットたちが。
新婚生活も商売も順調。

あんなにやきもち焼きだったピーターがよく許したわよね…。
しかしピーターのいたずらに手を焼く日々は健在。
夫よりピーターに甘い妻にモヤモヤする毎日だがある日、大手出版社から美味しい話が舞い込む。

ロンドンでセッティングされたミーティングはデヴィッド・オイェロウォくん演じる敏腕編集者からの褒め言葉の嵐。

主要登場人物の5匹のラビットたちを今まで以上にキャラクター化し、本もシリーズとして売り出しあわよくばグッズで大儲け!
今のままじゃただの田舎ウサギだからと、ヒールにされたピーターは「俺ヒーローなのに!」とショックで脱走。

見知らぬ都会の洗礼を浴びつつ、リンゴを万引きする老年のウサギちゃんに出会う。
おじさんの名前はバーナバス。

なんと亡き父の親友だという。
「いいこちゃん」と揶揄われ、ヒーローからヒールに転落したどん底のピーターはこのおっさんの弟子になることに。

途中、ペットショップに捕まり買われて初めて「ペット」に身を置くピーターを尻目におっさんはサクサク冷蔵庫の中身からランチパックの中身までごっそりせしめて脱走。

すべては都会ウサギの作戦だった。
わざと捕まり、合法で上がり込んだ民家で泥棒を働く。
そこにネズミや猫、豚ちゃんとギャング仲間が現れ都会で生きる醜さを目の当たりにし衝撃をうけるピーター。

この時の買われた家でのお母さんとの戦争なんてウィル・グラック色満載で容赦ないよねw
痛そうだしなんでバレないのww

しかし「腐って困る」というほど大量の食べ物を盗むことに罪悪感のない悪い奴ら。

ローズ・バーンはローズ・バーンでオイェロウォくんのおだてにのり、どんどん作風もキャラクターも、元のピーター・ラビットとかけ離れ商業的になってゆく。

そんな妻の変わりように不安を覚えたドーナル・グリーソンはオイェロウォくんに「妻にいらんこと言うな!」と文句をつけに行き案の定言いつけられて喧嘩にw

ドーナル・グリーソンは愛する妻に「君らしさを失って欲しくない」と言う。

でもこれってさ

「”俺の好きな君らしさ”を失って欲しくない」とも聞こえる。

たしかにローズ・バーンはおだてられて言われるままにファストな方向へシフトし自身の愛する「ピーター・ラビット」を見失っているようにも見える。
車ももらったしw

しかし彼女は成人女性だ。

決めるのは本人であり責任を取るのも本人のはず。
それを見過ごせない彼女と彼女の作品を愛する人、と言った構図ですかねえ。

相変わらず全然お子様向けじゃないw

そして肝心の都会のギャングたち。
先日バーナバスおっさんは「大きな計画を立てている。それには仲間がいるんだ」と言っていた。

相変わらず口うるさいドーナル・グリーソンから逃げるように田舎の仲間を揃えてロンドンのおっさんのもとへ。

今回の計画は鍵もなく出入り自由の「ファーマーズ・マーケットから好きなだけ食べ物を盗む」というもの。
この人はどこどこのお店でコレを買うとかこっちの店の人はあっちの人が好きとか事前調査もばっちり。

成功すれば一生食うに困らないとな。

大きな盗みの計画に戸惑いを受けつつもその計画に乗ることに。
だって田舎のウサギ食べ物に困ったことないしw

意外に綿密に練られた強奪計画。
しかし…よく見たら実行犯は田舎のみんな。

都会のギャングたちはほとんど参加せず。
しかも実行犯の彼らは野菜を育てて売っている人々から盗むことをまったく悪いと思ってない。

この田舎の食べ物に困っていない動物たちと、食べものがその辺に生えてないからお金がないと手に入らない都会の動物たちの食べ物に対する価値観の違いをうまく利用した演出👏

しかしその後、そんな田舎のみんなが大変なことになり…しっかり落とし前をつけるところがウィル・グラックの描くピーター・ラビットのいいところ。

自分のお店がぶっ壊されても車が動かなくなっても有り金がなくなっても必死になってピーターやみんなを探すドーナル・グリーソン。
彼の子供時代の経験が大人になった今ピーターたちのために何かしたい!という糧となる。

ローズ・バーンと結婚した。
ピーターたちとも家族になったのだ。
ドーナル・グリーソンも家族のためになにかしたい。
家族を愛している。

ってなるのってこのトーマスのキャラクターからは想像しにくくはあるものの自然なこと。

とてもね。
普通に。

でも食べるために食材としてちゃんとお金払って買ってるのに、タダで奪っていくなんて酷い…

動物は食べ物なのに…
※わたしは本気で動物を食べ物としてしか見ていません

ドーナル・グリーソンはほんとに不思議な俳優だなあ。
カッコよく見える時もあれば可愛く見える時もあるし🇬🇧のアダム・ドライバーに見える時もあるw

まさかドーナル・グリーソンの口から古都KYOTOの話が出てくるなんて★
わたしより歴史に詳しいからwもしかしてわたしの住所も知ってるかも★


しかしウィル・グラックってNYC生まれのほんと100%アメリカンクリエイターなのに、ピーター・ラビットをこんな風に描くのはほんと斬新。

可愛らしいパブリックイメージを覆すジェラシックな若者。
そして家族思いの優しい子ながら、家族を守るためなら邪魔する奴は徹底的にブチのめす。
そして憎いアイツはピーターの大切なグロスタシャーの自然を愛する男。

そう。
この映画はアメリカ・オーストラリア合作映画。

絵本の「ピーター・ラビット」もこの映画も舞台はUKにも関わらず…わたしなら企画を聞いて首を傾げそうですが、言われないとUK関係ないってわからないし作品の出来も良く、ヒットもした。

いや、もはやイギリスらしさすら出来上がってる。

1は予算の7倍稼いだからね…誰がこれを想像できたろうか?
ちなみに2はコロナの影響で公開が延び延びになり、今のところ予算の3倍の興行収入。
(1が大ヒットしたのに2の製作費が減らされてるのなんでww)

UKのチェーン店ぽいペットショップへの皮肉もいいですよね。
勝手に道端でさらってきた動物を予防注射や健康診断もせずに金とって売ってるってどういうことよww

どう考えても違法だし虐待だし危険だし悪質だし犯罪だろw


日本語字幕:牧野 琴子
※Amazon Primeクレジットだけど今や人気日本語字幕担当。劇場版も同じだったのでは?
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