えるる

初恋のえるるのネタバレレビュー・内容・結末

初恋(2006年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

未解決事件3億円事件の実行犯は女子高生だったかもしれないという、本物の事件とフィクションのストーリーを混ぜたお話。
生まれる前の話だが背景の町並みの作り込みがすごい。60年代のツイギーファッションが可愛い。

時代は学生運動真っ盛りの三島由紀夫が東大生と戦っていた時と同じ血気盛んな日本。暴動で機動隊が大暴れの中、親の死により離れ離れになった兄に会いにBというバーに行き入り浸るようになるミスズ。そこで岸と出会う。なんだかんだ時代に流される若者達の中で岸は国を動かすためには暴動という手段ではなく、大きな事件を起こし人々を動かすという方法として三億円事件を計画する。その実行犯に選んだのは女子高生のミスズだった。事件後、岸は行方をくらまし、ミスズは普通に暮らしているがそれぞれ淡い恋心を抱いていた2人。離れてはいるがお互い一生忘れない恋であっただろう。的な終わり方。

一瞬、え?実行犯に取り分なしかよ!騙された?と思った邪な自分に反省する。岸は金が目当てではなく国に対する反発で強盗を計画したわけだから、金は一切使われていないという所で納得がいく。
でも実行犯のミスズにボロいアパート一室だけってかわいそすぎるぞ。2人の淡すぎる恋心が本に書いてある岸の走り書きで消化されたような感じになる。
最後にフィクションとしては作り込んでるなーって感じのBで屯していた若者達の現在などが流れるが、若いうちに亡くなっているのが当時の日本の荒れ模様を表しているように見える。

たまにドキュメンタリー番組などでやる三億円事件、今の捜査技術では無理ではあるが、たしかにすごい事件だと思う。この映画内でもあるが当時コーヒー一杯80円の時代の3億円の価値。それを血を流さず強奪し一切使わず捕まらず。真相が気になる事件ではある。犯人死の直前くらいに自伝出して欲しい。

高度成長期の新宿の街並みの再現。やさぐれ感のある濃いメイクの女性達、ヒッピーファッション。ツイギーの真似をしミニスカートが日本で初めて流行った時代の衣装が可愛すぎるのであの年代の古着ファッションが好きな人にはおすすめ。
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