イベリー子豚

Diner ダイナーのイベリー子豚のネタバレレビュー・内容・結末

Diner ダイナー(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

まとめると
千と千尋の神隠しをレオンの要素入れて
パコと魔法の絵本みたいな世界観でやってみようか、
ってことなんだけど
僕の中の興毅が「イキきってへんなぁ……」
っていっちゃてますよ!!

邪道やアブノーマルを期待していたので
割と正統派少女マンガなお話でそこもクリビツ。

でも
素晴らしい衣装、セット、小道具の造形はため息が出ますな!
特にインテリアはとても好き!
ダイナーの仕切りにカラフルでビビッドなロングカーテンを使い、
アメリカンでダークな内装に桜と鮮血のアクセントも幻想的かつ退廃的で天才的。


気になったのは
設定の甘さとアクションの古さでござる。

ヒロインだけ日本名で残り全員が通り名なのは
まぁいいでしょう。
でもキャラの行動に説得力が無いから
観ているこっちは基本的に置いてけぼりですよ。
え、なんでそうなんのよ?みたいな。
荒唐無稽、破天荒メーター振り切ってないから
消化不良の連続。
名前の説明とかもないから
あぁボンベロ……あなたは何故ボンベロなの??って思っちゃうしね。
2人の距離が近づくエピソードも薄いしなぁ。
もっと日常を大事にしよ!ティナちゃんのファッションショーとかしよ!

そしてアクションが20年ぐらい後退してる……
り、リターナーなの??
折角、ナチュラル実践的筋肉ガイの窪田正孝いるのに
接近戦がオーマイガっ……!!
あと、元伝説の殺し屋で天才シェフならナイフ使いにして!!
ほぼドンパチってアナタ……!!
しかも包丁はいかにも使いづらそうな凝った装飾なのに拳銃は素やないか!!
撃ち合いにしてもウォンテッドのマカヴォイばりのをお願いしますよ!!
凄腕同士の殺し合いだってのに
緊張感もテクニックもハイテクガジェットも出さないから
殺意アリアリの一般の人ですやん!
 
……と
なんだかんだ文句つけたど
舞台っぽい演出が多かったり
肖像画のボスがユキオちゃんだったり
キャスティングだったり、
これは蜷川さんの一周忌とかの飲み会の中盤に
関係者がワイワイ観ながら楽しむような
映画なんじゃないかな。

だとしたら
ブーブー言うのは筋違いなんだけど
中島哲也監督や紀里谷監督、二宮建監督みたいに
もっと変態的でセンスの塊をワガママで貫くような作品をみたかったな!

それにコーフィーはスケジュールに無理言ってでも
吉田鋼太郎にやってもらいたかった……!


最後に
影武者役をそっくりさんじゃなくて
料理繋がりで服部の幸應にしていたら
加点アリだったのに……!