このレビューはネタバレを含みます
期せずしてこの作品が公開されるまでの紆余曲折が作品内のテーマに対する回答のようになっているような気がして、こういう感覚をリアルタイムで味わえたのはとてもよかったなと。
DVシーンでの逆回し描写や、リフレインのような効果を狙ったものなのか物語的な谷間で同じ葛藤を何度も見させられたりするなど、ところどころで鈍重さやしつこさを感じつつも、なんだかそんな部分までも青と呼ぶにやぶさかではない気持ちになれたというか、夢や希望の上っ張りを剥がせば誰もが誰かを食い物にしたりさせたりして生きていかなければならないという業と折り合いをつけたりつけなかったりというもがきの跡と思えば、そんな洗練されていない感じがかえって愛おしくも思えてしまい。
いやぁ、最初はホントだったんだけどなあというあのつぶやきがどうにも頭から離れないなぁ。くぅ。