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記者たち~衝撃と畏怖の真実~のmakiのレビュー・感想・評価

3.8
2001年のNY同時多発テロを背景とした、2003年からのイラク戦争におけるアメリカの過ち。政府の失敗が全てのしかかるのは前線で戦う兵士達。
現大統領のバイデンも当時外交委員長という重役であり、賛成票を投じた1人。

怒りや恐怖から、都合の良い情報だけを寄せ集め、開戦の口実を作ったとも言え、この誤った戦争が起こるべくして起こったという、恐ろしい集団心理が透けて見える。
そして、ジャーナリズムの敗北。この集団心理に惑わされず、真実を求めて奮闘した“ナイト・リッダーの記者たち“は素晴らしいけれど、結果的に小さな抵抗にしかならないというのは、アメリカのジャーナリズムの力を様々な映画で見てきたあとでは、虚しい。

イラクへの武力行使容認決議の場で、トンキン湾決議の時の過ちについて語り反対演説を行った議員の言葉、編集長の記者たちへの演説、こういう言葉を胸に、真実を求める記者たちと、真実に基づいた判断ができる政府を私たちは求めつづけなければと思う。
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