バス行っちゃった

記者たち~衝撃と畏怖の真実~のバス行っちゃったのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

人が愛国心ゆえに国を悪くしようとするものに立ち向かうということの善悪両面を描いたもののようにも、国家主義と民主主義とによる葛藤のようにも、そのどちらも違うようにも思えてしまうという残念な頭脳の持ち主なので、ミラ・ジョボビッチのおっぱい誘導をはじめとした記者たちのプライベートなどとの対比で見せてくれる語り口はいろいろな意味でありがたかった。

まあ、軍人志望の若者の遍歴がそのまま劇中のアメリカ世論の移り変わりを表現していたりとか、それぞれの挿話の主筋の話への反響の仕方など、話の作りがいちいちスマートなのと、人物造形がシンプルでわかりやすくなっていることの負の面というか、そつのなさからくる印象の薄さみたいなのはちょっとあって、それでもひとつひとつのシーンを思い出すと可笑しみやらなんやらが盛り込まれているのはわかるので、全体的に惜しいのだけど具体的にどこがどう惜しいのかはわからない、みたいな。

あと、こういう作品が作られることは大切だし健全だとも思うけど、映画作品をはじめとしてこれだけ色々な形でメッセージが発信されていても結局トランプ(イントネーションはいきなりステーキと同じ)といった塩梅なのだから、こういったものがいくら作られても、いくらそれらを見ていっても、わかったような気になるだけで、反省の仕方で競い合う賞レースをただ見ているというだけなのかなという、これまた頭の悪い無力感が少し。

といってできることといったら毎回ちゃんと投票に行くくらいしかないのだけれども。