ぬーたん

愛がなんだのぬーたんのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.5
フォロワーさんお勧めの今泉監督作品に挑戦!映画の前にこの原作、角田光代の小説なんだね。実は『八日目の蝉』『紙の月』と原作も映画も観たけど、ちょっと苦手…。それほど年は変わらない角田さんの書く主人公にあまり共感出来なくて。今作も感情移入はほぼゼロ。ゼ~ロ~♪でも気が付いた。感情移入しなくていいんだ。感情移入がなんだ。愛がなんだ。なんだなんだ😅
結果的には理解出来なかったけど、面白かったのは確か。でもイライラに押し潰され、バカじゃないのの独り言を数回吐いたのも確か。分からん感情に揺さぶられるには、2時間はちと長い。
テルコに岸井ゆきの。役も女優も28歳。小柄で薄べったい体。タイプとしては『過保護のカホコ』かなと思って観始めたけど、あちらは、はじめちゃんに『付き合って下さい』からの交際発展だから真逆か。可愛いという感じではなく、清楚な感じなのに、役は大胆。いや、昭和おばばもドン引きの大胆さよ!でも、マモルから電話来たらぴゅーっと行くけど、自分からしつこくするわけでないから、本質的には控えめで清楚と言えるかも?大事な仕事を任せれないし、約束は簡単にドタキャンされるかも、マモちゃんから電話来たら全部放り出すもんね、絶対。勝手にマモ独裁政権!
マモルに成田凌。『逃げ恥』に出てたね。長身でイケメン。26歳だがしっかりした感じで少し上に見える。マモルという男はまあ、天然というか悪意はないワルね。人を真剣に愛さない人かと思いきや、かなり年上の大阪のおばちゃんみたいな女性に惚れる。引き出しの中からしてだらしない、だけどキミの干渉も批判も受けたくないんだタイプ。
テルコの親友の葉子に深川麻衣。乃木坂46の元メンバーだって。綺麗な顔でスタイルも良い。これまた悪意がないのか定かではないが、はっきりしない女。ホイホイ来るお前が悪いのじゃ、か。
そのホイホイ男ナカハラを若葉竜也。あれ?何で葉子以外はカタカナの名前なんだろう?しかも名字がカタカナっておかしくない?意味があるなら教えて~。この俳優、歌舞伎か何かと思ったら、大衆演劇のチビ玉三兄弟だって。どういう立場かよくわからなかったけど、『幸せになりたいっすね。』が切なかった。
葉子の母は筒井真理子。年代的にもキャラ的にも唯一共感出来た登場人物ここにあり。ホッと一息つけるオアシスのような母。真理子さん。好きです。悪女から肝っ玉母さんまで演じて素敵な女優、独身。
マモの恋するすみれに江口のりこ。これは反則だわ。こんなやり手の個性派女優の投入は。デカイ、年上、不細工(ごめん)関西弁。煙草に酒に口が悪い。イケメン相手に呼び捨てで全く眼中になし。マモってこういうサバサバした鯖のような男っぽいのがタイプとしたら、今風の草食男子でMだよね。こんな男になりたい、のかな。江口さんも独身、40歳。
昔昔の大昔、私も乙女だった頃に、猛反対された相手が居たけど、誰が止めても聞かなかった。でも時が経ち、或る日突然どうでもいい存在となった。当人同士が良いならそれで良いっていうのは確かにそうなんだ。愛に関しては。答えは自分がいずれ出すから、変てこな行動してもスカスカにされてもそっと見守るしかないんだ。逃したくない、この気持ち。一生のうちずっとはりついていたい、と思う相手に何回出会えると言うの。
ラスト近くは登場人物の其々にライトを当てて描く。その手法は在り来たりながら、効果的だった。
ラストいいね。輝いている。結局は、どんな形にせよ、愛って素晴らしい。
ぬーたん

ぬーたん